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2006.12.24

「天保異聞 妖奇士」 説十二「駁竜、月に吠える」

 雲七の力で窮地から逃れた一行。しかし小笠原は、老中より身の証を立てるため加納を斬れと命じられる。一方謎の集団「西の者」は、殺生石の力を用いて巨大な貘の妖夷を生みだし、東照宮に封じられていた数々の妖夷を目覚めさせていた。そして雲七の中のケツアルコアトルまでもが目を覚まそうとする中、それを制御し、力とするため、往壓は自分を雲七に喰わせようとする。一つに合わさった往壓と雲七の力は駮竜と化し、加納と小笠原のサポートもあって貘を粉砕。が、加納は小笠原に刃を向け、遂に小笠原は加納を斬ってしまうのだった…

○前話のあらすじは、アビとえどげんによる久々の視聴者への語りかけスタイル。賛否あるようですが、私はこのスタイル好きだなあ。そしてアビげんは今回の出番これまでorz そしてあらすじ終了直後の往壓の微妙な表情がステキ

○円盤形態に変形してアソベを吹き飛ばし、往壓たちを乗せて一度は逃走した雲七たち。喋るだけでなく変形能力まで残っていたのかあ。

○十傑集チックな走り(腕ェ組めば完璧だったのにな!)を見せる仮面の男たち。公式サイト等によれば「西の者」ということですが、さて…「西」で陰陽師チックな格好をした人間がいるところといえばやはり京の都。奇士が幕府側とすれば、西の者は要するにあちら側ということなのでしょうか。貘が倒された後の「地の神はまだいる」という言葉や今回の行動からすると、封じられた古の神々の封印を解くのが目的ということかしら。おお、伝奇ものだ。

○小笠原様裏切り者説を聞いて豪快に泣く宰蔵。随分感情豊かに…というより情緒不安定気味だなあ(というより演出が不安定)。よっぽど過去から解放されたのが嬉しかったのか…

○往壓も小笠原も、異国も異界とか言ってるヤツって、ありもしないものに憧れて、それ以外の人間を見下してるみたいでキライ!(意訳)と言ってのける本庄。一見正論に見えて、相手の言うことに「自慢」という言葉を使ってしまう辺り、色々と屈折しているもおが感じられます。

○東照宮の堂に貼られた無数の御札。そこに書かれた神名は、東照大権現以外に家康に下されるかもしれなかった別の神の名。それによって家康の神としての力を奪い去ろうという企てとは…さあ、いよいよもって伝奇ものらしくなってきました! 「まつろわぬ者」とか言ってるしな。

○蘭学の力で妖夷を倒すことにより、お上に蘭学の力を認めてもらおうとする小笠原様。…蘭学の力? 妖夷を倒す? いや、小笠原様が言うと色々とツッコミを入れたくなって困る。

○と、沈む夕日の中に浮かぶ漢神…? 往壓以外に漢神を操る者がいたとは。西の者の頭領、意外と安直なビジュアルの割りには(?)実力者です。そして、草間に日が沈む意味を持つ「莫」の漢神にムジナを合体させて「貘」を誕生させる様はほとんどメガテンです。

○…ムジナはあくまでも「狢」であって、宰蔵篇に登場した「無慈儺」とは別物という理解でよいのでしょうね。

○日光東照宮には、徳川幕府安泰のため、平和のため多くのまつろわぬ者の魂が、妖夷が封じられていたと語る老中。そして誕生した貘の妖夷の力で復活し始める妖夷の群れ…というか円盤やら怪獣やら、もうすっかり怪獣もののノリに。というより夜空をバックに光線が飛び交う様は時代劇史上空前絶後だろうなあ…素晴らしい。

○そこに飛び込んできた往壓&雲七。雲七は竜に変化して往壓を乗せて妖夷の群れに突っ込みますが、殺生石の力で雲七もケツアルコアトルの力を押さえるのはもう限界。。雲七の力も限界に達しようとしていたその時、俺を喰えという往壓…って、どういう発想なのか(いや、雪輪雲七誕生の経緯を考えれば、十分アリだと思うのですが)。

○どうやって喰われるのかと思ったら漢神を自分たちから取り出して、その力をケツアルコアトルにぶつけた、という理解でいいのかな? 往壓+ケツアルコアトル(+雲七)の妖夷合体で生まれたのは高田裕三チックなデザインの、ちょっとコワイ顔をした駮竜。
しかし、早く元に戻らないとこのまま往壓は完全に妖夷になってしまうという時間制限付き。何だか最終回のようになって参りました!

○貘を倒すため、ライフルで殺生石を打ち抜こうとする小笠原様。彼に協力するため、スコープを取り出し、距離を算出しようとする加納。おお、ここで共に算学&砲術を学んだという伏線が! そしてここでまた笑いを取りにかかるかのような宰蔵。

○あれは駁! と驚く配下に対し、「あれは首のうちの一本。この時代に現れようとは」と謎めいた言葉を吐く西の者の頭領。うーん、首を複数持っていそうな竜の眷属ときたら、日本だとやっぱり…

○小笠原スナイパーカスタムの超遠距離射撃で殺生石を粉砕したところに駮竜の一撃で引き裂かれる貘。駮竜は最後の力で往壓と雲七を吐き出しますが…往壓尻見せ。あと一緒に落ちてきたのは、貘を貘たらしめていたムジナかな

○がっちり手を握り合う小笠原様と加納。が、武士の一分でやむなく刃を向け合う二人。闇の中で鈍く光る刀身と瞳の画、決闘のシーンの(意図的に)不安定な線と相まって印象的なシーン…だったんですが斬られた瞬間の加納の表情が凄すぎて、一瞬別人を斬ったのかと思ってしまったのは内緒。真面目な話、この二人の決闘シーンには、かつての往壓と雲七の斬り合いが重なって見えました

○ハナチョーチンと、最後の最後まで愉快キャラで押し通す宰蔵。

○友を斬ったことを悔やむ小笠原をそっと一人にする往壓。まあ、こういう優しさもあります。小笠原様の魂が救われたわけではなく、かえって重いものを背負ってしまったわけですが、やはり年月を重ねてきた分だけ、大人が救われるには時間がかかるということなのでしょう。でも小笠原様は生足サービス。

 と、往壓の新たな力に謎の集団「西の者」の存在、小笠原様の過去と、前回同様、ずいぶんと詰め込みすぎの上に、時代劇とは思えぬような大怪獣空中決戦で、最終回と言われても信じてしまいそうな展開でした(まあ、第一クールの事実上最終回ですが)。が、これはこれで大いに面白かったと思います。エンターテイメント的な充実度もさることながら、ラストの小笠原と加納の決闘の顛末など、いかにもこの番組らしい重い部分もきっちりとありました。

 さて、駮竜の登場で、今まで以上に往壓が桁外れの力を持つことになりますが――これは以前からずっと思っていたのですが――往壓=ウルトラマン、蛮社改所=防衛チームと考えると、この番組は構図的にスッキリするのですね(いやむしろ剛神と蘭学攘夷隊だろ、というのはまあ置いておくとして)。もちろん、一つ前の番組からの連想ではあるのですが。

 そして次回、あの河鍋暁斎(の若い頃)が! しかも美形!(なんというか、最近色々と足りなかったものを補おうとしている感じだなあ…)。個人的に暁斎の絵は好きですし、物語のネタとしても面白い人物なので、ナイスチョイスと言えましょう。
 メインとなる舞台は吉原のようで、こちらも果たしてどう描かれますか。そしてねじり鉢巻のえどげんが男前でこれも気になります。というより、タイトルやあらすじからするともしかして次回は総集編なんでは…


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