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2006.12.22

「バイオレンスジャック 戦国魔人伝」(再録)

 個人的には「手天童子」と並んで最も好きな永井豪作品であるところの「バイオレンスジャック」の外伝的作品。“戦国”というのは、乱世の譬えかと思っていたら、本当に戦国時代が舞台でした。

 発端は現代(?)の日本。暴走族のメンバーである稲円(いなまる)が、夜の街で雲突くような巨人(=ジャック)を目撃した直後、仲間たちと共にタイムスリップ。辿りついたその先は、血で血を洗う戦いが繰り広げられる戦国時代。が、そこでは武士も農民も皆殺しにする機械兵を操る武士・斬牙(ざんが)が覇を唱えていた――というわけで、今回の元ネタは「戦群」と「機神」。相変わらず豪快に元ネタをいじってみせるセルフパロディぶりは健在で、その辺りは楽しめたのですが…

 今回のエピソードが単発なのか、今後も引き続き掲載されていくのかは全く不明なのであまり大声では言えないですが、単発なのであれば、はっきり言って「失敗作」の一言。ラストの「たたかいだ! ゆくぜ!」パターンはまあお家芸みたいなもんで驚きませんが、しかし今回はあまりに唐突で、ページが尽きたから放り出したという感が強いのです。ジャックのジャックたる由縁である、周囲の者を否応なしに暴力の渦に叩き込む点はよく描かれていたと思いますが、しかしマニアはともかく、ジャックに初めて触れた読者であればなんと思うことでしょうか(まあ、下手にジャックを知らない読者の方が素直に楽しめ…るかなあ)。

 「バイオレンスジャック」という作品世界の重要なモチーフとして時代劇があることは言うまでもありませんが、その世界で生まれたジャックのいわば里帰りとも言える今回のエピソード。それだけに(今のところ)中途半端で途絶してしまったのが残念でなりません。

 …まあ一番納得いかないのは、ライアがあれじゃ裸身剣もへったくれもないってことなんですが。


 以下、マニアの自問自答。
 ジャックの世界というのは一端××した後、○○○によって△△された世界だったわけで、その世界での戦国時代というのはどういう時間軸になるのだか(××する前の世界の戦国時代まで飛んだのか? △△された世界にも戦国時代があったのか?)。というより冒頭の世界ってどうみても関東地獄地震以前の世界で、そこにジャックが存在しているってのは…(いや、いていけないことはないんだけども)。しかしあのラストで飛んだ稲円たちの辿りついた先が、壊滅した関東であればジャック本編にキレイにつながるわけで、それはそれで良いのかもしれません。
 …いまふと思ったけど、永井豪キャラ総登場の戦国ものってのも面白そうですネ。というか戦国時代で暴れ回る門土&竜馬が見たい(当然、戦国時代でもバズーカ)。


「バイオレンスジャック 戦国魔人伝」(永井豪 別冊ヤングジャンプ第14弾掲載)

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