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2007.01.23

「慶長無頼伝」(再録)

 関ヶ原の合戦直後。剣の腕はめっぽう立つが金と女にうるさい無頼の青年・青空十兵衛は、偶然女忍を救ったことから、小早川家の跡目相続にまつわる騒動に巻き込まれる。急逝した小早川秀秋に成り代わり家を牛耳ろうと企むかつての朋輩に挑む彼女の助っ人に回る十兵衛だが、二人の前には更なる陰謀が――

 …あらすじ的には間違っていないんですが、どうも物語の勢いを伝えられないのが困ったものだなあ。
 と、いう嘆きは置いておくとして、帰ってきました伊藤勢先生が! それも時代アクション! ということで伊藤勢ファンは驚喜しているのではないでしょうか。頁数としてはかなり限られているためか、もっともっと派手に動いて欲しかった部分もありますが、画としての美しさと漫画としての動きを両立させた画力の確かさは健在。(時として不謹慎な)ギャグセンスも健在で、青年誌らしいエロシーンからギャグに、そしてそこからアクションにとつないでいく流れの巧みさには笑いつつ感心しました。

 しかし何よりも嬉しいのはその主人公の正体が、どうも「斬魔剣伝」「羅ゴウ伝」に登場した「謎の素浪人」の若き日の姿らしいこと(時代背景、剣の腕前、意地汚さ、長髪とキセル、蠅(笑)とこれだけ証拠が揃えばまず間違いないでしょう)。しかも敵役として顔を見せるのが、上記二作品にも登場した奴ということを考えれば、単なるファンサービスやパラレルワールドというよりも、むしろビフォアストーリーなのでしょう。

 以前から富士見を離れて白泉社で描くのでは、という噂が流れていた伊藤氏の作品がこういう内容で発表されたというのは、深読みしてしまえば「羅ゴウ伝」の続きが読める可能性も皆無ではないこと、というのは決してファンの妄想ではありますまい(他者からの移籍組に(連載作品のパイロット的な)短編を描かせて、それから連載、というのはしばしばあるパターンです)。

 …結局、妄想で終わっちゃいましたけどね。


「慶長無頼伝」(伊藤勢 「ヤングアニマル嵐」Vol.17)

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