« 「陰陽師 鬼一法眼 ときじく之巻」 異形の源氏三代記ついに完結 | トップページ | 「幕末機関説 いろはにほへと」 第十四話「北へ」 »

2007.01.13

「影狩り」(再録)

 「影狩り」文庫版全巻読了しました。諸藩お取り潰しのために陰謀を巡らす影と、それに立ち向かう影狩り三人衆という基本ラインの下に、アクション、サスペンス、人情話、伝奇、ホラーと様々なタイプの物語が、男泣きテイスト山盛りで展開され、飽きることがありませんでした。

 しかし何よりも魅力なのは、主人公三人のキャラクター造形。個性的な三人の性格・外見に、それぞれが背負った影との因縁とそれに起因する現在の生き様というものがきっちりと描かれており、それが物語を何倍も面白くしていたのは間違いないところ。個人的にはやはり、ビジュアル的にはヒゲゴルゴとも言うべきインパクトながら、内に熱く優しい心と重い過去を秘めた十兵衛がお気に入り。引退した柳生の老剣士と将棋を通じて心を通わせるエピソードなど、その後の悲劇的な結末も含めて、このキャラならではのものだったと思います。

 それにしてもラストエピソードの「十兵衛は影だ!」は圧巻。タイトル通り、実は十兵衛もまた影だった!? という疑惑を主軸に、影狩り三人の思いが交錯するこのエピソードは、最後まで二転三転、十兵衛vs○○の決闘からついに明かされる真実(それがまた、いかにも十兵衛ならでは、というもので感心)、そしてラストの大死闘まで息もつかせぬ展開で、まさしくラストエピソードにふさわしい一編でした。
 このエピソード、版によってはラストになっていないものもあるようですが(というより連載時からしてそのようですが)、「これが本当に影狩り三人衆の見納め?」と煽りまくって読者をハラハラさせるという点においては、ラストにおいて大正解と言えるでしょう。いや、作者の思うがままに振り回されました。


「影狩り」全十巻(さいとう・たかを リイド文庫) Amazon bk1

|

« 「陰陽師 鬼一法眼 ときじく之巻」 異形の源氏三代記ついに完結 | トップページ | 「幕末機関説 いろはにほへと」 第十四話「北へ」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/13462148

この記事へのトラックバック一覧です: 「影狩り」(再録):

« 「陰陽師 鬼一法眼 ときじく之巻」 異形の源氏三代記ついに完結 | トップページ | 「幕末機関説 いろはにほへと」 第十四話「北へ」 »