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2007.01.06

「幕末機関説 いろはにほへと」 第十三話「覇者の首入魂」

 遂に幕が開かれる赫乃丈一座の第二幕。蒼鉄の台本通り耀次郎までもが舞台に上る。同じ頃、中居屋と左京之介は、首を封印した壷を渡すよう蒼鉄に迫る。そして舞台上で耀次郎の一刀が舞台の垂れ幕を切り裂いたその先にあったものは――中居屋と蒼鉄が対峙する桟橋だった。そのまま中居屋に肉薄する赫乃丈一座だが、そこに英国の特殊部隊の砲撃が雨霰と降り注ぎ、その一発が中居屋と恵比須を直撃。一方、耀次郎の一刀も覇者の首を斬るに及ばず、首は榎本に憑くのだった。そして榎本艦隊は、蒼鉄を乗せて一路北へ…

○何だか突然登場のスパイ大作戦なイギリス間諜組。曰くありげなビジュアルですが、見かけ倒しだった五人の悪鬼羅刹よりかは役に立つか?

○負け戦を恐れて踏み出そうとしない榎本に対して、ほんのわずかながら感情の動きを見せる蒼鉄先生。これは珍しい

○回想シーンで自分の過去をアッピールする左京之介。耀次郎が相変わらずよくわからないキャラなだけに一歩リード? しかし片目は戦いで受けた傷とかそういうことかとと思ったら…申し訳ないですがこの辺りの微妙な地味さがいかにもこの作品らしい

○桟橋の下に隠していた首を引き上げたところをあっさり中居屋に見つけられてしまう蒼鉄先生。意外と抜けていらっしゃるのか。中居屋も知らない、真の首の使いようとは…。しかし確かに中居屋の首の使い方って結構間抜けね。

○そしてついに耀次郎まで舞台デビュー。相変わらずの無表情ながら意外とノってるっぽいところが所作から見て取れます。耀次郎格好良いよ耀次郎。

○舞台裏の布を切り落とすと――その裏は品川沖の海。そしてすぐ後ろから続く桟橋の先には、蒼鉄・中居屋・左京之介が対峙する船が…! すみません、前言撤回します。このために蒼鉄先生はあえて中居屋を誘き出したのですね。いや、本当にこの展開は読めませんでした。そして会場に立てられた無数の蝋燭に火が灯り、現れたのは巨大な五芒星! 蒼鉄先生、戯作者というより演出家としても超一流です。

○と、どさくさに紛れて首を奪い、さらに自分の存在をアピールする左京之介。しかしノリノリの耀次郎は銃弾を真っ向から刀で弾くという無茶の前にすぐに首を手放す羽目に。そして首を手にした中居屋は幻影兵士を呼び出して赫乃丈たちを阻み…

○一方間諜たちはいきなりこの乱闘目がけて大砲を発射。大英帝国以外に首が渡るくらいならって、パークスのすることは相変わらず無茶すぎるそしてその中で思わず赫乃丈を抱きかかえるように庇った耀次郎の姿を見て、過去の心の傷を勝手に思い出した左京之介のヘタレぶりが痛々しい。

○混乱の中で赫乃丈たちから離れていく中居屋の舟。そこに恵比須が大ジャンプを敢行、見事に中居屋を舟に縛り付ける! が、微妙に死亡フラグが立ったような…と思っていたら、中居屋と恵比須のいた舟に着弾する砲弾。さしもの中居屋もさすがにこれで…と言い切れないところが恐ろしい。恵比須はご愁傷様ですが、最後にいい見せ場でした。

○中居屋の手から海中に落ちた首の壷。そこにジャンプ一番月涙刀を叩きつけた耀次郎ですがまたもや失敗。首は宙を舞い、榎本の元に…髑髏が相手の頭にかぶりつくように重なっていくという、覇者の首が人に取り憑く際のビジュアルがユニークでした。そして急にやる気になった榎本は一路北へ…ちょっと意外だったようですがすぐニヤリとする蒼鉄。そして舞台は北へ――


 前半戦ラストということで大いに盛り上がった今回。耀次郎はともかく、どうやって中居屋を舞台の上に…と思っていた矢先に飛び出した大仕掛け。品川に芝居小屋がかかったのはこのためでもあったのか、成る程! と膝を打ちたくなるような舞台上から真剣勝負への移行のスムーズさには本当に感心させられました。全くもってこの展開は全く予想できませんでした。脱帽です。

 しかし…ここで冷や水を浴びせるようで申し訳ないのですが、前半を通して見て何とも困ってしまうのは主人公。ようやく首に一刀を浴びせたはいいが、首の封印を破ったおかげで事態がかえって悪化したようにしか見えません。むしろ耀次郎が本当に永遠の刺客なのか、月涙刀が本物なのかすら疑う必要がある気までしてきました。

 まあ、そんなことよりも耀次郎のキャラクターがほとんど全く見えてこないことと、耀次郎と赫乃丈一座がいなくても物語が進行してしまいそうなのが何とも前半を通して気になったところではあります。幕末という激動の時代だけに、黙っていても(?)事態が進展していってしまうだけに、主人公たちがそれに巻き込まれて――というよりその波の上に乗っているだけに見えてしまうのが(おそらくは製作側の狙いでもあるのでしょうが)、残念なところ。
 正直なところ、蒼鉄先生が物語を一人で動かしているようなもので――何だか高橋監督というより高松監督の作品に出てきそうだな、蒼鉄先生。

 色々ときついことも書いてしまいましたが、何はともあれ、次回より第二部突入ということで楽しみにしています。お侍さんを一人追いかけようとする赫乃丈ですが…


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