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2007.01.07

「天保異聞 妖奇士」 説十三「地獄極楽風聞書」

 今週の「天保異聞 妖奇士」は、予想通り総集編。新年一回目の放送ではありますが、新規視聴者に向けたこれまでのおさらいという意味も込めて丁度良いようにも思います。
 が、色々と曲者ぶりを発揮しているこの番組、単なる総集編に留まらない今後につながるネタ振りなどもあり、これまで観てきた者にとってもなかなか興味深い回でありました。

 冒頭はいきなり明治時代のある風景から。見事な竜の画を前にした老絵師こそは、幕末・明治に名を残した河鍋暁斎、私のような人間にとっては、様々な妖怪画で印象に残る人物であります。その竜の見事さを讃えられて、これは現実に見たものだと語る暁斎ですが…

 そして語られる暁斎の記憶。まだ少年だった暁斎が、堂々と吉原に上がりこんでいた際に見かけた奇怪な一団…それは言うまでもなく奇士ご一行(除く小笠原様)。吉原には不釣り合いなほど悪目立ちする奇士たちに興味を持った暁斎が偶然であったのは、奇士…というより往壓を追ってやってきた玉兵親分で――ここで親分の口から語られるという形で、奇士各人のキャラクターがおさらいされることになります。

 以降はほとんど総集編なわけですが(ただし、これだけ見て意味が通じるかと言えば微妙な繋ぎ方ですが…どんな話なんだろう、という興味は引くことができるのかな)、所々に挿入される新作の日常風景が愉快です。

 えどげんの表の顔(?)はなんとところてん売り。こうしていると普通に美形な棒手振りルックで江戸の町を流してはところてんを売り歩き、家の二階から呼び止められたらところてんを手押しポンプの要領で下から飛ばして着弾(?)させるという技を見せてくれるのが愉快(しかし江戸時代の行商人・大道商人には芸紛いの技で商品を売る人たちがいましたから、これはこれでアリかと)。本当に一番謎な人物だ、えどげん…
 一方、アビの表家業はと言えば、なんと猫の蚤取り。これも珍妙な商売ですが、どうやら実際にあった商売らしく(まあ、伝奇者的にはどうしても国枝史郎を思い出しますが)、何よりもあのアビが大きな体を丸めて猫の相手をしているというのはこれまた愉快な眺めではあります。
 そして愉快、というかおかしいのは宰蔵。彼女については既に大体のことは語られた故か、遊女たちにもてまくるのに閉口して暴れるというのが出番で、やはり先日よりギャグ要員にジョブチェンジしたのか、男装の美少女というキャラはどこへやらのイジられっぷりです。

 と、そんな話を聞いた暁斎、実は自らも先日の日光での騒動を目撃していたことから、奇士たちの存在に興味を持ちます。更に彼が興味を持ったのはアトル――というところで以下次回。
 今回は総集編のみならず、どうやら吉原篇とでもいうべきエピソードの導入部でもあったようです。冒頭で老いた暁斎が語った竜とは、やはり往壓のことなのでありましょうし、新OP映像を見た限りでは、彼もサブレギュラーに加わるようです。

 そうそう、今回からOP・EDは曲・映像ともに変更。この時間帯の番組では定番パターンですが、まだちょっと違和感があります。特にOPは、一発で引き込まれた第一期に比べるとおとなしい感もありますが、荒れ地に一人ボロボロになって座り込む往壓に手を差し伸べるアトルという意味深なカットもあり、色々と気になるところではあります。
 さらにアトルはEDでは出ずっぱり…というよりアトル(と馬の雲七)のみが登場するEDで、もう完全にアトルがヒロイン格ということになったようです(片や宰蔵はギャグ要員…南無)。

 全般的にコミカルな描写が多かったり、アトルを前面に押し出したEDになったりと、色々と作品の印象を変えようとしているようにも感じられますが…何はともあれ、次回以降も楽しみにしたいと思います。


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