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2007.01.04

「柳柊二怪奇画帖」 鬼才の怪奇画ここに集まる

 新年早々におどろおどろしい内容ですが、年末に入手したこの本を紹介。昨年夏に展示会も開かれた柳柊二先生の怪奇画集です。基本的に収録されている作品は展示会の時のものとほぼイコールですが、最終日に行って運良く見ることができた展示外の作品も収録されているので、展示会に行けなかった方はもちろん、行かれた方にも非常におすすめの一冊です。

 柳柊二先生の絵の魅力については、今さら私がここで云々するまでもありませんが、こうして一冊の画集として手にとって、間近で思う存分じっくりと、細部まで時間をかけてじっくり見てみると、描かれた人物一人一人の表情が実に見事で――単に描かれた怪異そのものの迫力のみならず、それを目の当たりにした人物の恐怖や驚きの表情が、その迫力をさらに増幅してこちらにぶつけてくる効果を上げていることに今さらながらに気付かされました。

 ちなみに(ここで無理矢理うちのブログに絡めると)時代ものとしては、展示会の時にも触れた「燈台鬼」「隠密人外境」の他、民話伝承をベースとした「日本の怪奇シリーズ」(鬼婆、九尾の狐etc.)、「雪おんな」に「耳なし芳一」などが収録されています。どでもみな素晴らしいクオリティですが、特に「燈台鬼」は、画を見ただけでも恐ろしさと、それと同時に切なさが伝わってくる傑作で…これだけでも皆さんには見ていただきたいものです。
 …しかし、「隠密人外境」は「魔界住人」よりも面白そうに見えるなあ。

 何はともあれ、一つ一つの作品が、到底児童書の挿絵として描かれたとは思えないほどのクオリティの画ばかりが集められた本書。本のサイズが少々小さめなのが残念ではありますが、柳先生の怪奇画ばかりがこうして一冊にまとめられる機会はこの先おそらくはないことを考えれば、そんなことは小さい小さい。子供の頃、柳先生の画に震え上がった記憶を持つ方全てに手にとってもらいたい一冊です。


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