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2007.02.04

「天保異聞 妖奇士」 説十七「幽世」

 マスラオが山崎屋に気砲を売ったことを知ったアビと往壓。一方、用心棒として先に寮に入り込んでいた元閥と宰蔵は、平田篤胤に心酔する山崎屋から、国津神=古き民の世を取り戻すため、障害となる鳥居耀蔵を暗殺すると聞かされるのだった。暗殺計画を見過ごすことを良しとせず、寮に侵入したアビと往壓は二人を救出。山崎屋が隠匿していた妖夷を探すが、そこに異界の扉が開き、アビの姉ニナイが現れる…

○天井に張り付いていたキモい妖夷に新兵器の仕掛け扇子を放つ宰蔵。独楽のように回転し竹とんぼのように飛んで、骨から鉤つきの糸を放って妖夷を絡め取ります。が、するりと逃げられて…

○奉行や老中を呼び捨ての往壓を叱りながら手当てしてくれる小笠原様はいい人。そういえば往壓は小笠原様は「さん」付けして、呼び捨てにしないようです。

○何故か吉原で酒盛りしている狂斎・マスラオ・アトル。狂斎は縛られるものがない古き民をうらやましがりますが…こういうところがお子ちゃまなんですね、この人は。所詮アトルたちの気持ちは分かっていないわけで…と、一気飲みしたアトルはダウン。「二十一世紀では未成年者の飲酒は禁じられています。」のテロップが愉快です。

○部屋に押し入ってきた何やら物々しい得物の連中に妖夷の肉を食べさせられるえどげんと宰蔵。これは妖夷の肉と言いかけた宰蔵の顔面にヒジ打ち叩き込むえどげんヒドス。顔はやめて! 私役者なんだから。そして山崎屋は二人に秘匿していた妖夷を見せますが、それは天井に張り付いていた妖夷。食べても再生していくというのは視肉を思い出させます。

○差別されている古き民たちの境遇を憤る山崎屋。その手には本居宣長の「古事記傳」がありました。実は山崎屋は宣長の弟子(正確には没後の弟子ですが)の平田篤胤に学んでいたのでした。蘭学も国学も、というのはちょっと面白いような気がします。

○山崎屋にえどげんと宰蔵に掛け合う往壓とアビですが、二人はいなくなったと言われるばかり。姉捜しに逸るアビは寮に潜入しますが、そこに現れたのは変態ブーメラン鎌の遣い手で用心棒のリーダー格らしい米吉。前回の狙撃犯の一人でもあります。アビのことを知っているらしく、自分も「山の民」と言いますがアビはこれを否定…はて。

○一方、得々と平田神学を講義する山崎屋。プロのえどげんはフン、という表情の一方で、アホの子モードに入った宰蔵は百面相。それはともかく、国津神が天津神に世界を譲って去った先が幽冥界。そして幽冥界を古き民の住む地の隠喩だと考えた山崎屋は、山の民こそが国津神だと言い出します。そして国津神に再びこの世を支配させる第一歩として、江戸を追放された平田篤胤を呼び戻そうとします。そのために、追放を命じた鳥居を暗殺するのが最終目的で…

○実は逃散した農民だった米吉。仲間たちと逃げた先で見つけた小屋の食べ物を口すれば、実はそこはアビたちの集落で…この後仲間を失った米吉は、以来「山の民」になりたいと願い、ニナイにすがってきたと言いますが…と円盤雲七に乗って来た往壓にアビ

○二人を妖夷中毒にして自分の手足として使おうとする山崎屋。残念! すでに二人とも中毒です。中毒患者のフリをするえどげんが楽しそうだな。それはさておき、えどげんはプロ(?)の立場から山崎屋の説を一笑に付し、むしろ妖夷が国津神の末裔でないかと語りますが、まあこちらの方がどちらかというと説得力があります。

○山崎屋の狙いを知った小笠原様は跡部に報告。が、跡部様は山崎屋を利用して、自分たちにとっても邪魔者である鳥居を除こうとしますが…相手が妖夷に関わっている以上、自分たちの敵。それに狙われる者を放ってはおけないと、小笠原様は跡部に反論します。この辺りの良い意味の青臭さが小笠原様の魅力ではありますが、そのうち幕府を敵に回しそうで恐ろしい。

○往壓とアビに救い出された二人ですが、そこに現れたのは白い微妙に人型の妖夷。あ、何かに似ていると思ったらテレホマンだ。なつかしー

○ついに姉をさらった妖夷と対面しエキサイトするアビは、往壓を押しのけてまで自分が倒そうとしますが…姉さんはどこだ! と叫びながら銛を刺したら、妖夷はしなびてしまいました。これはアビが悪い。

○と、そこに現れたニナイは、なんと漢神を操ってしなびた妖夷をあっさりと復活させますが…そしてニナイに気を取られていたアビは妖夷にバックを取られて格好悪いところで次回に続く。


 アビ篇の第二回目は起承転結の承と転とでも言うべき内容。一見、奇士の任務には関係ないように見えた老中・勘定奉行狙撃事件の真の狙いが示されると共に、そこに妖夷が思わぬ形で絡んで奇士の扱うべき事件になるというストーリー展開には納得。
 さらに、漂泊を余儀なくされる者と、それに憧れる者の姿をそこに絡め、物語全体を貫く「ここではないどこかを求める心」というテーマにつなげてくる構成の妙には唸らされました。

 さて今回の目玉は妖夷と「古事記」の思わぬ関わり。ものがものだけにうるさ方も多く、下手に扱うと大変になりそうな題材ではありますが、なるほど、狂信的な人間が勝手に言っていることという扱いにしているのは、えどげんによるフォローも含めてうまい処理です。

 とはいえ、妖夷が出現して、それにニナイが絡んでいるのは間違いのないところ。公式サイトの次回予告を見ると、衝撃的な事実が書かれてしますが…相変わらず容赦ないな、この番組。予告ナレーションの「人はそれを自由と呼ぶのだろう。のたれ死にの自由、と」という言葉にも震えました。


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