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2007.02.12

「幽冥の刺客鬼門 屍蝋変幻」(再録)

 大利根河原の血闘を終えて江戸に帰った鬼門を待っていたのは、寛永寺から前将軍家斉の木乃伊が盗まれたとの報だった。寛永寺の墓守であり、そして家斉の隠し子とも言われる鬼門は、早速木乃伊の行方を追うが、彼の前は幾多の怪人物、怪事件が待ち受けていた…。

 無事二巻目が書き下ろしで発表された鬼門シリーズ。大衆時代小説の王道を行きながらも、どこか奇妙ないびつさがアクセントとなっている加野厚志の文体・ストーリー運びはここでも健在です。
 今回は木乃伊の行方探し・犯人探しという一種のディテクティブ・ストーリーなわけですが、作中にちりばめられたミスリードさせる仕掛けに主人公の鬼門がことごとく引っかかるという展開。加野作品は主人公の主観と地の文がほとんど一体となって描写されることが多いことも相まって、読んでいるこちらの側も鬼門と一緒に振り回されまくりです。ハードボイルドを気取る割には周囲に騙されまくる鬼門(まあ、ハードボイルドの主人公も騙されやすいような気もしますが)に、むしろ萌えに近いものを感じました。

 ラストはほとんど反則技で犯人を突き止め一騎打ちとなるわけですが、しかしその犯人も捨て台詞的にとんでもない言葉を残して絶命。果たして続きがどうなるのか、楽しみでしょうがありません。いや、ホントに。


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