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2007.02.25

「夢々 陰陽師鬼談」(再録)

 龍王の娘・息長姫を妻とする安倍晴明と、芦屋道満の対決を縦糸に、晴明と彼を慕う橋姫の恋の行方を描いた正編と、少年時代の晴明と龍女の、そして賀茂保憲との出会いを描いた続編(ビフォアストーリー)「星の術者」の二篇から成るコミック。原作は荒俣宏先生の小説「陰陽師鬼談 安倍晴明物語」ですが、原作を知らずに読んでも全く問題ない、ユニークな陰陽師ものでした。

 正編の方では、晴明と道満の男同士の争いがある一方で、息長姫と橋姫の晴明を挟んだ女同士の争いが描かれ、それが元で皮肉でちょっと切ない色模様が展開するのが面白いところ。晴明の洒脱さ、格好良さが描かれる一方で、艶笑譚的味わいもあって、これは歌舞伎にすると面白いような気がしました。

 一方の「星の術者」の方は、少年晴明の天真爛漫さの中に描かれる陰陽師の本質ともいうべきものが楽しい一編。
 陰陽師を敵視し、彼を殺そうとする竜王に、「陰陽道とはあなた方を封殺するものではなく、この世のからくりを見ようとするもの」と言い放つ晴明の言葉には、なるほどと膝を打ちました。
 「叶うまでは夢は無限の異界ですよ」という台詞も深いですね。

 この漫画家さんは以前に紹介した「魔界転生 聖者の行進」を描かれていて、そちらはいささか微妙な作品と感じたのですが、この「夢々」の方はかなり好きですね、私は。


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