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2007.02.11

今週の「Y十M 柳生忍法帖」 自決ショーと新しい地獄

 前回は久々に登場した般若侠十兵衛が芦名衆三人相手に大立ち回りしたところで終わった「Y十M 柳生忍法帖」、今回は一人生き残った如月左衛門似の芦名衆が皆のところにたどり着いたシーンから。慌てて皆がらの持ち場に行ってみれば、そこに残されたのは「蛇ノ目は三つ」の短冊付きの包み一つ…言わずと知れた廉助の生首であります。

 さて、般若侠が「俺で曲者八人目」と申告したのが功を奏し、七つの駕籠は、その中身を見せることなく国境を通過に成功。してやったりの沢庵和尚ですが、そこに銅伯が意外な行動を…
 無礼なことをした自分の罪は万死に値すると存ずる、などと言いつつ、銅伯は刀を抜いて己の左胸にずぶり。種も仕掛けもございません、正真正銘の真剣を心臓に突き立てて――それも鍔元までしっかりと押し込んで。普通の人間であれば致命傷間違いなしのはずが、ちょっと痛いかな、程度の表情で平然としているのには、さすがの沢庵も驚きを隠せません。
 そりゃあそうでしょう、始めるか俺の自決ショー、とばかりにいきなり自分の胸に刀を突き刺すだけでも驚くのに、そのまま平然と話しかけてこられたら…
 こんなアブナイ奴にこれ以上関わってはおれぬと去っていく沢庵を見送りつつ、「不死身の化け物を相手にしておるということを…腹の底から思い知らせてやるためよ」と自分の行動の理由を語る銅伯。これァ確かに今までの敵とはまったく格が違います。沢庵は相撲に勝って勝負に負けた、というところでしょうか。

 それにしても山風忍法帖で不死身というと、「バジリスク」(甲賀忍法帖)のドジっ子天ちゃんこと薬師寺天膳が浮かびますが、あちらは心臓を刺されたら死ぬ(活動停止する)のに対し、銅伯の方は平気の平座なのが違うところでしょうか。何よりも、油断とか慢心とは無縁そうだしなあ。
 何にしても刀が通じないというのは十兵衛にとって相性は最悪と言うべきですが…

 さて、場面は変わって会津城内。ようやく文字通り自分の城に帰ってきた明成を待ち受けていたのは…大広間の壁一面を覆う、女性女性、全裸の女性。しかも二段三段と段を組んで、本当に壁一面の肉の壁です。…よく考えついたなこんなもん。
 江戸の加藤屋敷が花地獄ならば、こちらは雪地獄。そしてこれをプロデュースしたのはなんとおゆらさん、というところで次回に続く。同性を平然と自分の愛人(と言ってよいのやら)の贄として差し出してくるとは恐ろしいというか呆れたというか…

 しかし、原作を読み返してみるともっととんでもないことになっている雪地獄。原作の方では、壁のみならず床や天井(!)まで一面に全裸の美女…いや、全裸の美少年、美少年がみっしりという、何だかもう考えたヤツの正気を疑いたくなる空間となっています。
 原作に忠実なことでは屈指のせがわ忍法帖ながら、今回この辺りがずいぶんとすっきりしているのは不満…というわけではないのですが少し不思議には感じました。まあ、ただでさえ拉致監禁…とまずいことをやっているわけで、これ以上アレなことになってコンビニで封印シールを貼られてしまっても困るので、まあそれはそれで仕方ないのかな。

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