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2007.03.03

「幕末機関説 いろはにほへと」 第二十話「波浪ありて」

 陸奥国岩磯村に流れ着き、漁師の妻子に世話を受ける耀次郎だが、赫乃丈に斬られた記憶に苦しむ。が、かつて家族を海で失いながらも、その海を理解し、海で暮らしていこうとする漁師の妻の姿に、己の姿を重ね、宿命の何たるかを知るべく再び立ち上がるのだった。一方、榎本軍は福山城を攻略、蝦夷共和国が樹立されるが、蒼鉄はなおも何事かを企む様子を見せる…

 座長復活編に続き、耀次郎復活編。が、前回に比べると色々な意味で地味なのが何とも耀次郎らしい展開です。
 微妙にガッツ系の東北弁も見事な未亡人(違 に拾われた耀次郎は、恵みと同時に死をももたらす海と暮らす彼女から、避けえぬものであれば自らそれを理解し、乗り越えようとする姿勢を学び、立ち上がることになります。
 「己が宿命を憎んだことなどない。嫌ったことも呪ったこともただの一度も。 当たり前のように目の前にあったこの刀のように」と語る耀次郎ですが、それは宿命を受け入れているように見えて、ある意味己の宿命を無視しているとも言える状態。宿命を共にするはずだった座長に斬られたことが、初めて彼にそれを自覚させたのでしょう。
 そしてそれを乗り越える、受け入れようと努めるきっかけになったのが、己と全く無縁の場所と世界に生きる女性の生きざまであったことは、意外なようでいて納得できるものがありました。本当に地味な展開ではあるのですが。

 また、その己の宿命への無自覚さが、これまで非常に気になってきた耀次郎のキャラの薄さに重なってくる様に感心しつつ、それ故のキャラの薄さだったのか、と気付かされたのですが、しかしこれは買いかぶりすぎかもしれません。
 結局、これまでの耀次郎のキャラの描き込み不足が響いて、今回は物語構成に面白さは感じましたが、物語展開にカタルシスは感じられなかった、というのが正直な感想です。

 また、今回のもう一方のクライマックスと言える福山城攻略は、前回とは雲泥の差の作画・動きでテンションも上がらず(スタッフを見たら三文字名前がずらりと…)。何故土方があれほど榎本を信じているかも今一つ説得力がなかったこともあって、こちらもカタルシスは感じられませんでした。
 まあ、濃霧の中からの超精密艦砲射撃で城門を直接ブチ壊す榎本の豪快すぎる攻撃は愉快でしたが…あと、キメキメで「幕は、まだまだ先の先。我が共和国は蝦夷にあらず」などと気を持たせてくれる蒼鉄先生が相変わらず素敵でした。

 さて、そんなこんなのうちに物語も終盤。気付いてみれば覇者の首が憑いたターゲットはあれよあれよという間に一国の総裁に。おそらくは最後の舞台となるであろう五稜郭を舞台に、いかなる物語が展開されることでありましょうか。
 そして次回、またも実在の大物・黒田了介(清隆)が登場…なるほど、ここで耀次郎は仙頭左馬之介と出会うのか<出会いません


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