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2007.03.24

「超忍者隊イナズマ!」 肩の凝らないプログラム・ピクチャー

 続編製作決定のお話だけ書いて、本編の紹介をしておりませんでした。東映のスーパー戦隊シリーズのキャスト・スタッフが集結したコメディタッチのSF時代劇ヒーローものです。

 時は西暦2076年。駆け出しのTVプロデューサー・ジュン(菊地美香)は、新番組の企画のために、生意気なADの倉田宮(載寧龍二)と共に、江戸時代へとタイムテレポートすることになります。そう、この時代はすでにタイムマシーンが一般化しており、TV屋は過去に飛んで様々な番組を制作していたのでした。…何だかギルスの嫁さんに冷凍刑にされそうな所業ですが、「過去をいじってもタイムパラドックスは発生しない」という世界観なので問題ないのです(たぶん)。
 そして江戸時代に飛んだジュンたちは、現地で見つけた格好の素材――すなわち、丁稚でビビリの細松(橋本淳)、
大工でスカシの寒吉(松本寛也)、団子屋の娘でドジのかぐや(甲斐麻美)の三人を発見。神さまコスで三人の前に現れたジュンは、彼らを伝説の雷の力を受けたヒーロー・超忍者隊イナズマに任命、すっかりその気になった三人の姿を隠し撮りしてヒーロー番組ならぬバラエティ番組の素材にしようとします。
 それと時をほぼ同じくして江戸の町で次々と怪事件が発生。それはヤラセではなく、本物の怪物たちが引き起こしていたのでした。しかも、その怪物たちに憑依されているのが、それぞれ敬愛する呉服屋の若旦那・輝之助(市川洋介)、その妹・いと(山内明日)、そして用心棒の藤十郎(伊藤友樹)であることを知ったイナズマ三人組は、勇躍怪物たちと戦おうとするのですが…

 そんなお話の本作は、よく言えば特撮ヒーローものの時代劇版(よくも何もそのまんま)、悪く言えばバラエティ番組の時代劇コメディパート、さらにぶっちゃけると菊地美香のPV(いや、本作での彼女の可愛さは異常。本作以外でも可愛いですが)といった趣の作品。本格的な時代劇として期待すると、間違いなくがっかりすると思いますが(まあ、そもそもそういう視聴者はいないと思いますが…)、変身ヒーローものとして見れば、さすがに手慣れたキャストとスタッフによるものだけあって、なかなか楽しめます。怪物たちの正体に関する伏線が、ジュンの活躍と真のヒーローの誕生につながっていく辺り、構成もなかなか良くできていると感じました。
 個人的には、諸処に東映特撮ヒーロー時代劇の大先輩たる「仮面の忍者赤影」リスペクトが入っているのが何とも愉快でありました。もっとも、赤影リスペクトするのならば巨大怪獣には生身で立ち向かって欲しかったですが…

 もちろん、良い点ばかりではなく、不満点も――特に尺の短さに由来すると思われる――幾つかあります。特に、自分たちが面白おかしく利用されていただけだったと知った細松たちの葛藤というか落ち込み方をもっときっちりと描きこんでいれば、ドジで弱虫な主人公が勇気と信念と少しの偶然で本当のヒーローになるという「がんばれベアーズ」的王道熱血コメディとして、グッと盛り上がったと思うのですが…。また、折角きっちりと江戸時代側の設定年代も決まっていたのだから、その時期ならでは、というネタも見たかったな、という気持ちはやはりあります。

 が、こういった趣向の作品に、あまり細かいことを言うのも野暮というものでしょう。少なくとも、本作の視聴者の99%を占めるであろう、役者ファン、戦隊ものファン――特につまらないことにこだわらない心豊かな特撮ファン――にとっては十分に楽しめる、期待通りの作品であることは間違いのない話。そして、プログラム・ピクチャーにとってそれ以上に大事なことがあるでしょうか?
 もちろん、こういう作品だけになってしまうとさすがに考えものではありますが、年に一回くらい、こういう肩の凝らない時代活劇があっても全然OKだと思うのです。
 特に、特撮出身に限らず若手俳優は時代劇にも出すべきと常々主張している私にとっては、イキのいい若手たちが時代劇衣装に身を包んでいるだけでも嬉しくなったことです。…こんな奴ァさすがに極少数だとは思いますが。

 現在製作中の続編「超忍者隊イナズマ!! SPARK」も、キャストに異動があったものの(残ったキャスト、消えたキャストを見ると色々と考えさせられます)、本作の路線を発展継承してくれるものと、大いに楽しみにしております。


 それにしても――橋本淳の丁稚姿のはまりっぷりは異常。「お江戸でござる」が続いていたらえなりかずきの座も奪えたんじゃないかというほどの逸材ですよ、これは。
 あと、甲斐麻美にほっぺた強調した衣装を着せた塚田Pは鬼。


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