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2007.04.10

「大江戸ロケット」 一発目「大江戸に咲く紅い花火」

 この四月から放送開始のアニメの中でこのサイト的に一番楽しみなのが――というより唯一注目なのは――この「大江戸ロケット」。劇団☆新感線の舞台を原作とした作品ですが、この第一話を見たところでは、素晴らしく豪華なスタッフの力も相まって、なかなか…いや相当の好印象。登場人物の数は相当なものですが、賑やかな展開の中で手際よくキャラと設定が紹介されていって、あっという間の三十分でした。

 舞台は天保の世。水野忠邦の改革で、江戸の町の火が消えたようになっている中、今まで誰も見たことのない花火を打ち上げてやろうと日夜努力を続ける主人公・玉屋清吉は、ある夜、とてつもなく巨大な花火(のようなもの)が夜空に輝くのを目撃します。そして、江戸の闇の中で人外の死闘を展開する奇怪な青い獣と白い獣。その中に割って入った南町奉行・鳥居耀蔵と配下の忍びたちにより、青い獣は討ち取られますが、白い獣は、清吉の打ち上げ花火に鳥居たちが気を取られた隙に逃亡してしまいます。そして次の朝、風来長屋の清吉の前に現れた一人の美少女・ソラは、清吉に、月まで届く花火を打ち上げて欲しいと依頼するのですが…

 というのが第一話のあらすじなのですが、とにかく(特に前半の)その勢いに驚かされます。風来長屋の連中が巨大な花火(のようなもの)を夜空に見上げるシーンから始まり、南町同心の手入れに、二匹の獣&鳥居一派の三つ巴のバトルシーンと、状況説明もそこそこに次々展開されるので、見ている側はただただ「うわー」と口を開けて見入ってしまう状態。
 特に驚かされるのが、そのキャラクターデザイン陣の豪華さ…というかいい意味での無秩序さ。特に、いきなりみなもと太郎先生のキャラが登場してきた時には、事前に知っていても驚かされました。その他、みなもと先生のほかにも内藤泰弘、椎名高志…と、「おお!」と思ってしまうようなメンバーの手になるキャラが次々と登場するのですが(おっともちろんメインの吉松孝博氏は言うまでもなく)、それぞれの先生が、見て一発でそれとわかるくらい完全に自分のタッチでデザインしているので、頭身の違い(!)も含めて、一見したところではもの凄く混沌としているように見える…のですが。
 ですが、それがちょっと経てば、何だか違和感なく見えてくる不思議さ。これは、一つには脚本と演出による見せ方のうまさもあるのでしょうが、どうやら、それぞれの先生が担当するキャラ群が、物語での立ち位置に基づいてグループ分けされているらしく、それがうまくはまり合って、この違和感のなさにつながっているように感じられます。

 と、駆け足でを物語のレギュラー陣の顔見せと、事件の発端を前半で描いた後、後半は一転して、長屋を舞台として、清吉と、彼を取り巻く物語の中心となるであろうキャラクターたちの絡みをじっくりと見せてくれるのが心憎い構成。特に、清吉の兄貴分で、何やら秘密のありそうなナイスガイ・錠前屋の銀次郎と、イヤミなんだけど何だか抜けてそうな南町同心・赤井は、なかなかのキャラ立ちで好印象でありました。

 ちなみにこの赤井同心の声を当てているのが川島得愛氏というのが、「妖奇士」ファンにはちょっと嬉しい話。鳥居耀蔵はこちらでも若本規夫なので、「小笠原様が鳥居の配下に!」と誠にアホな喜び方をしてみたり…
 また、私は残念ながら原作舞台を未見なのですが(早くDVD届かないかなー)、この赤井同心のイヤミで潔癖性の陰険メガネというキャラクター、まるであのお方のキャラみたいだな、と思っていたらやっぱり舞台で演じていたのは粟根まことさんだったので噴いた。

 それはともかく、原作舞台を見てない私が言うのもなんですが――そしてこれはある意味大変失礼な表現ではあるのですが――中島かずき氏がアニメの脚本も書いているのでは、と思ってしまったほど、新感線ファンとしては違和感なくしっくりくる第一回であったのは間違いないところ。
 どうやら二クール放映のようなので、これから色々とアニメ独自のアレンジも入ってくるでありましょうし、むしろ入って欲しいのですが、この先も、安心して楽しむことができそうです。

 ちなみに今回はOPはなしでEDのみであったのですが、このEDがまた実に楽しくて…これだけでも見る価値があるかもしれませんね(と、これ第一話はラストに流れましたがOPだそうです。なるほど)。


関連サイト
 公式サイト
 公式ブログ

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» 天保異聞 大江戸ロケット 1話 [【非公式】世界日本ハムの哀れblog@非公式]
 鳥居様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!! ・・・・こっちだw [続きを読む]

受信: 2007.04.11 00:58

» 大江戸ロケット [drrss]
アニメ大江戸ロケットが面白い。 時代背景を江戸に置いており、現代からすると遠い昔のようだが、100万人の人口を擁する都市が存在したことを考えれば、都市生活者として共感できるところはある。水野忠邦の天保の改革では奢侈禁止の令により、歌舞伎役者が江戸払いになったりした、と聞いたことがある。このアニメに出てくるのは花火師、からくり師などだが、なるほどと思わせる設定。高度に発展した都市には細分化した特殊な職業が存在するものなので、それをぜいたくと切り捨てようとしてもなかなかできることではない。 また1話... [続きを読む]

受信: 2007.04.12 22:46

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