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2007.04.22

「大江戸ロケット」 三発目「縁に縛られた銀ノ狐」

 「大江戸ロケット」第三話は、清吉・ソラから少し離れて、兄貴分の銀次郎が中心のエピソード。銀次郎自身の過去と、彼自身も知らなかった出生の秘密、そして鳥居らの行動の一端が語られていくこととなります。

 前回、白い獣に対して見せた身のこなしが元で、黒衣衆に目を付けられた銀次郎。その前に現れた鳥居が銀次郎に語った、彼も知らない出生の、血縁の秘密とは、彼が黒衣衆の頭領の生まれであるということでありました。(この時描かれる、銀次郎の守り袋を封じていたのが天海結びというガジェットが面白い)。かつて徳川家康により組織され不思議な珠を守っていた忍び目付として民の間から徳川の世を支えながらも、太平の世の中でいつしか使命を忘れ、市井の中で庶民として暮らすようになった黒衣衆。その末裔を探し出しては配下としてきた鳥居に誘われた銀次郎、もちろんそれは拒みますが、そこで問題になるのが、銀次郎の過去であります。
 実はかつて大坂でお伊勢さん(今頃気付いたのですが、お伊勢さん、今の生業は損料屋さんだったのね…また面白いところに目を付けたものです)と共に盗賊として活躍(?)していた銀次郎は、かの大塩平八郎に拾われ、世直しのために彼の下で働くこととなったのですが、ご存知の通り、大塩は蜂起に失敗して自決。その姿を目の当たりにした銀次郎は「俺はこれから一生、面白可笑しぅだけに暮らす! 何かのためになることなんぞ金輪際せぇへん!」と絶叫して――

 結局、自らの過去のとばっちりが清吉ら長屋の仲間たちが行くことを恐れた銀次郎は、清吉の夢を守るためにも、自分は自分の道――黒衣衆として空の獣と戦う道を選ぶのですが、最初見たときは結局鳥居の下=清吉の敵側についたようでどうもすっきりしなかったこの選択が、もう一度落ち着いて見直してみると、何とも切なくも重たいものに見えてきました。
 一度手ひどい挫折を味わって、清吉の夢を手助けすることによって自分の価値を見出そうとしていた男が、自分自身にできること、自分にしかできないことでもってもう一度立ち上がろうとする姿は、それが誰の下であろうが、結果的にどちらの側に立つことになろうが、大変に重みのある、貴いものに思えます。
 というかもう主人公銀次郎でいいよ! あのカッコイイヘルメットかぶって戦うの! 

 と、勝手に興奮するバカは置いておいて、この辺りの銀次郎のキャラクター設定・描写は、中島かずき節でありつつも會川昇節でもあるというなかなか面白いクロスオーバーぶりで、何というか、このキャラ一人を見ただけでもこのアニメ化の成果はあった! というのはまた言い過ぎですが、なるほど面白いことになってきたな、という気分です(個人的には、白濱屋の蔵での銀次郎とお伊勢さんの会話シーンが、ワケありまくりの過去を共有した男女ならではの空気感、距離感というものが感じられてよかったな…)。

 一方、本格的に前面に出てきた鳥居様。個人的にはバラエティに富みまくった本作のキャラクターの中で、唯一デザインが馴染めない――いや、あの声だったらあの顔じゃなきゃヤダヤダというのではなく、妙に福々しい普通の人に見えて――のですが、いずれ「なるほど!」とうなずかされる日もくるのでしょうか。来たらいいなあ。
 しかし鳥居様は相変わらず(?)自分とこだけで人外と戦いたがるんだな。

 また、南町と来たら北町、鳥居ときたら…というわけで、北町奉行の遠山景元も登場。事前情報で聞いていたとおり、えっれえ若作りな遠山様でありました(ちなみに遠山の方が鳥居より三才年上)。よく見ると遠山とOPでワンセットで登場していた10-4-10…じゃなくて、天鳳と天天は遠山の密偵という素性も明かされ、暢気に見えた清吉の長屋も、俄然きな臭い世界となってきました。

 物語の設定世界はだいぶ見えてきた感もありますが、色々と入りくんでいる世界だからこそ、清吉にはこれからスパーンと気持ちのいい活躍を見せてもらいたいという気持ちになります。が、次回一体どうなるのか、予告とタイトルからじゃまったくわからん! わからんけど楽しみ、というところでまた来週。


関連記事
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