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2007.04.29

「戦国忍法秘録 五右衛門」 五エ門に始まり五右衛門に終わる

 昨年十一月にあまりにも突然にこの世を去ってしまった石川賢先生の最後の作品である「戦国忍法秘録 五右衛門」の単行本が刊行されました。作者と同じ姓を持つあの大盗・石川五右衛門を主人公に、信長・秀吉を敵に回しての復讐戦を描く、時代伝奇大活劇であります。

 本作については、雑誌連載時に取り上げてきましたので、ここで内容をくだくだしくは述べませんが、天正伊賀の乱に始まる冒頭からラストに至るまで、とにかく最初から最後までアクションアクションアクションの連続。天下の石川賢のパワーは、最後の最後まで全く衰えることがなかったことがよくわかる、痛快極まりないデストロイぶりです(前作「武蔵伝」が、比較的おとなしかっただけに、よりそのように感じられます)。
 本当に賢先生はこういう、善も悪もあるものかは、とにかく俺は暴れてぇんだ俺は的キャラクターを描かせると天下一品であるとつくづく感じ入ったことです。

 そしてラスト――これは雑誌掲載時の感想の繰り返しにもなりますが、物語が未完のまま中絶したことが全く気にならない(いやほら、未完自体はよくあることだから)ばかりか、ラストページがまるで計ったかのようにピタリと美しく物語のピリオドとなっているのには、悲しい偶然とはいえ、感心させられます。

 なお、この単行本では、作者の師匠(と呼ぶのは違和感あるな)であり戦友であった永井豪先生が巻末に解説を寄せているのですが、賢ちゃん(あえてこう呼ばせて下さい)が五エ門に始まり、五右衛門に終わったという、興味深い暗合について触れているのが目を引きます。
 が、それよりも何よりも、その解説に付された豪ちゃんによる賢ちゃんのイラストが実に愛が籠もっていて、思わずグッと来てしまいました。

 もうこれ以上石川賢先生の新作が読めないのは、我々にとってこの上ない不幸ではありますが、最後の作品がこの「五右衛門」であったことは、あるいは不幸中の幸い、と言うべきなのかもしれません。


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