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2007.04.16

「大江戸ロケット」 二発目「男は待っていた」

 前回、謎の美少女ソラが主人公・清吉の長屋に転がり込んできたところで終わった「大江戸ロケット」。第二話である今回は、そのソラの月まで届く花火を上げて欲しいという求めに応じることを、清吉が決意するまでが描かれます。
 第一話で観ているこちらを引き込んでくれた、ポップな絵柄と多彩な(多彩すぎる)キャラクター、テンポの良い展開は今回も健在で、三十分弱があっと言う間に過ぎてしまいます。冷静に考えると、冒頭に書いたように清吉がソラの頼みを受けるだけの話ではあるのですが、しょーもなくもノリのいいギャグに、 アクションに歌に踊りに、ちょっと重たくなりそうなキャラ描写もあって…と、脇を飾る要素が色々と盛り沢山で、内容が薄いという印象はありません(というか、このノリはまるっきり劇団☆新感線の舞台のノリまんまでありますね)。

 その中でおっと思わされたのは、清吉の兄貴分、銀次郎絡みの描写。長屋の隣の部屋にソラを連れ込んだ(?)清吉の様子を覗こうとして壁をブチ抜いてしまうベタなギャグ芝居もよかったのですが、その後にフッと、背負った過去と、只者ではなさそうな力を窺わせるのが心憎い(しかもその過去というのが、かの大塩平八郎絡みらしくて…滅茶苦茶やっているようでいて、いきなりこういうネタを投入してくるのがまたズルい)。
 この銀次郎というキャラクター、舞台では古田新太氏が演じた役だそうですが、このアニメ版では山寺浩一氏が声を当てています。なるほど、いささか牽強付会ではありますが、二人とも、飄々とした軽さと、過去を背負った重さを合わせ持ったキャラを演じさせたらピカイチなだけに、納得のキャスティングです。

 そして今回のクライマックス――清吉の決意のシーンですが、これがなかなかに泣かせる展開。いかに可愛らしい女の子が自分の腕を見込んでくれたとて、テストすらままならぬご禁制の花火を、月まで打ち上げるということの無謀は、清吉自身が一番よくわかっていること。それでも彼を決意させたもの…それは厳しい改革の前に日々の楽しみを奪われ、うなだれて過ごす人々の姿でありました。
 そんなみんなの顔を上げさせたい、空を笑顔で見上げさせてやりたい。ただそれだけの――しかし、素晴らしく尊い思いが、清吉の心に火をつける様は、個人的にロケットというものに思い入れがあることもあって、素直に感動しました。

 しかしこのペースで二十六話保つんかいな、という気もしますが、それは余計な心配というものでしょう。舞台と同じ、そして全く異なった楽しさを、きっと見せてくれるものと信じています。


 ちなみに…現在発売中の「オトナアニメ」誌には、本作のメインスタッフである水島・會川・近藤氏の対談が掲載されています。本作のみならず、時代劇・アニメ全体に渡る実に興味深い内容となっていますので、機会があればぜひ一読を(近藤先生の時代アニメ総まくりも実に楽しい)。
 …個人的にはこちらの見当違いを思い知らされて冷汗三斗なんですが


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 「大江戸ロケット」 一発目「大江戸に咲く紅い花火」

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 あの嬢ちゃんは白い獣の方なのかね?まさか青い方とはいうまい。まぁあの2匹が月の超獣で、あの嬢ちゃんはそのどっちかが化けた姿か関係してると。あの化物自身じゃないとすれば月星人の生き残りで南夕子だとか。  そ... [続きを読む]

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