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2007.05.12

「柳生十兵衛七番勝負 最後の戦い」 第五回「緋の剣」

 前回(先々週)の感想を書き忘れましたが、気がつかないふりして「柳生十兵衛七番勝負 最後の戦い」第五回の感想を。十兵衛が尾張柳生、それも水野美紀様演じる女剣士と激突するという今回、前々から大いに楽しみにしていたのでした。

 今日も今日とて悪事を企む紀伊頼宣と由比正雪。今回の作戦は、尾張の若き藩主・光友の名で自分を将軍に推薦した偽書状を作って、四代将軍の座に就こうという豪快すぎるものでした(全く個人的な話ですが、丁度羽山信樹の「邪しき者」を読み返していたので、この辺りの面子には思わずニラニラしました)。

 一方旅を続けて尾張にやってきた十兵衛主従は、そこで柳生の二枚笠紋の脇差を持つ女剣士と出会います。何だかちょっとやつれ気味の水野美紀様演じる彼女は、柳生兵庫助の庶子・笙。現当主柳生兵庫厳包(この名については後述)の妹ながら、家を出されて/出て山中に一人暮らしております。
 その時は何事もなく十兵衛と別れた笙ですが、もの凄いタイミングで旅行中別居状態の十兵衛の妻・おるいさんが目の前でブッ倒れたおかげで、再び十兵衛と縁を持つことに…

 一方、頼宣と対面した十兵衛は、母と弟を人質にするかのような頼宣に、何かあったらぬっ殺すよ、と言わんばかりににらみつけますが…いくら変態でも御三家の当主相手に滅茶苦茶言っているようですが、十兵衛はすでに死んでいる存在なので、その辺りは死人が最強の隆慶理論(ちょっ、原案違う人)。
 しかしそこに思わぬ頼宣の切り札が…出た、木村助九郎! ここでは宗矩が自分の妻であるりんのお目付役として送り込んだという設定ですが、何かあったときには後腐れがないようにりんを斬れと命令済みとは…どこまで黒いんだこのオヤジ。死してなお十兵衛を苦しめる宗矩! テーマ的には本作の大ボスですが、それにしても素晴らしい。

 さて、偽書状作戦も順調に進んでいる頼宣と正雪ですが、よせばいいのにこういうときについでにヒーローを倒してしまおうと考えてしまうのが悪の組織のダメなところ。しかし笙に目を付けるとは、正雪はなかなかよいところに目を付けます。まっ正直な丸橋さんと、笙の境遇に自分と重なるものを見た十兵衛の弟くんは不満なようですが…

 それはさておき、自分が自分自身として生きるために剣士になりたい! と強く念じる笙は、おとなしく嫁にでも行け(うちに来て!)という兄ではダメだと十兵衛に弟子入りを請いますが、何だか自分に酔ってる十兵衛に相手にされず、ますます焦りを募らせます。
 しかしこの時に「剣など…」とか言っちゃう十兵衛様、正雪への「武士をやめればいいじゃない」発言といい、彼個人としては別に間違ったこと言ってないのに、ことごとく相手のアイデンティティを叩き潰す発言となっているのが…素晴らしいまでのぶきっちょさです。

 そんな行き違いが積み重なり、ついに笙は刺客として十兵衛の前に立ちふさがります(この時の男装が実に凛々しくて素晴らしい)。
 結局、今一つ腰の入っていないチャンバラの末に(その前のvs吉田栄作よりはよかったと思いますが)ついに十兵衛は笙をバッサリと…うわ、十兵衛使えねえ。しかもまたもやるいの目の前での凶行です。

 それにしても自分なりに十兵衛の傍らで生きるという、るいの話をどう受け止めたか、自分にはこの道しかない、と思い詰めてしまった果てに、若い命を散らした笙。正直なところ、彼女がたびたび口にする「生きるために」っというキーワードが上滑りしていたように感じますが、この思い詰め方がいかにも世慣れぬ若い人っぽく、痛ましく感じました(ここで十兵衛の弟くんがもう少し絡んでくれば、面白くなったと思うのですが…一話限りのゲストだったのが残念)。笙もまた、本作のテーマである親子の相克に悩まされた一人でありました
 チャンバラの方はもうちょっと、でしたが、水野美紀様の実は地味な顔立ち(本当にファンなんだろか自分)が、その薄倖な役柄によく似合っていたと思います。

 さて、偽書状作戦の方は、別動隊の大次郎たちが思わず爆笑してしまったくらいわかりやすくこれを粉砕、ついに四代将軍が誕生して追いつめられた頼宣は…というところで来週に続く。
 次回、亡霊宗矩はでるわまつろわぬ者はでるわ正雪はどんでん返しするわといよいよますますやりたい放題で、これはまた見逃せませんね。


 さて、今回本筋とは別に気になったのは、吉田栄作が演じた柳生厳包のこと。この人物、EPGの番組情報や公式サイトでは厳包となっていましたが、作中では(字幕でも)兵庫と呼ばれていました。
 ここで剣術ファンの方は「あれ? 兵庫(正確には兵庫助)と言ったら父親の如雲斎じゃないの?」と思ったのではないでしょうか。厳包のことを調べてみると、大抵の本で兵助・七郎兵衛と書かれているわけで…ここで私は「オヤジと混同してやんのm9(^Д^)プギャー」とか書こうかな、と思ったのですが、吉梨さんのところに「あれで正しい」という指摘があったということもあり、色々調べてみたら…
 灯台もと暗し、一番最初にチェックしなければいけない柳生新陰流公式サイトの「道統」のページに、しっかりと「柳生 兵庫    平 厳包(連也)」と表記されていました。参った!(にしても公式サイト、柳生新陰流を「明らかに故意に歪め」ている本ばかり普段読んでいるので精神的に敷居が高くて…と言い訳)

 しかし連也も妹は斬られるわ姉はヨーロッパに攫われるわ、女の身内には苦労させられますね


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