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2007.05.22

今週の「Y十M 柳生忍法帖」 悪魔の手鞠歌?

 さて今週の「Y十M 柳生忍法帖」は、別れて行動開始した三チームの一番手として、沢庵&おとね組が登場。前回のラストで、他の二チームのために加藤方の目を引きつけておくと言い出した沢庵和尚ですが、その言葉通りに陽動作戦を開始します。…それも猛烈に人を喰った形で。

 その陽動作戦とは、会津の子供たちを連れて、城の回りで手鞠歌を歌いながら遊ぶというもの。子供と遊ぶお坊様というと、(本作より後の時代の人ですが)良寛さまが浮かびますが、この時の沢庵和尚はいかにも好好爺然とした善知識といった印象です。この辺り、さすがは…と言いたいところですが、歌っている手鞠歌の内容がひどい。
 簡単に言ってしまえば、これまでの加藤明成と七本槍の所業を、皮肉たっっっぷりに歌い込んだもの。
 しかし考えてみれば手鞠歌や子守歌の歌詞というやつは、よくよく聞いてみると恐ろしい内容も多いものではあります。悪魔の手鞠歌とか赫乃丈の手鞠歌とか死神の子守歌とか…最後のはちょっと違うか
 そういった、内容的にちょっとアレでも許容されるような手鞠歌を、歌詞の意味も分からないので平気で歌える/歌っても咎められない子供に歌わせるというのは、沢庵和尚は恐ろしいまでの策士ぶり、ここまで来ると心理ゲームというより陰惨な精神攻撃に思えてきましたが、以前にも沢庵和尚は本陣門前念仏攻撃with甲州流十面埋伏の計をプロデュースしているので、本質的に好きなのかも、こういうの。
(そういえば、はっきりとは描かれていませんが、同様に子供を使ったシバQドッキリ恐怖の雪だるまも、今にしてみれば沢庵和尚発案くさい)

 対する加藤方はと言えば…よりにもよって、一名を除いてはそんな精神攻撃に対して堪え性がない面子。沢庵和尚の一挙手一投足にいいように踊らされています。いや、ここまで陽動作戦にハマりやすい連中も珍しい。
 名目上の大将がそんな有様ではありますが、実質上の大将――上に挙げた一名、すなわち芦名銅伯翁はさすがに落ち着いたもの。気持ち悪いほど落ち着き払ったその態度で、沢庵和尚とも対等にやり合います。

 と、そこで沢庵和尚が秘密兵器を投入…それこそはおとねさんその人でありましたが、しかし、その表情たるや何とも印象的であります。前回登場したときにも、おっ、と思いましたが、強(こわ)さと艶やかさを同時に湛えたかのようなその佇まいは、ほりにょとはまた異なる女性の強さというものを感じさせます(髪に刺した櫛がまた格好良い)。
 それにしても、自分を無惨に弄んだ憎んでも余りある相手ながら、その記憶ゆえに最も会いたくない相手であろう明成の前に敢えて立つおとねさんの決意は相当のものでしょう。何やら、画からも覚悟というか凄みというか漆黒の意志というか――そういったものが伝わってきます。ようこそ………『女の世界へ』…………

 と、いかにおとねさん本人が望んだこととはいえ、ここで彼女を投入してくる沢庵様の鬼っぷりに震えながら再来週を待つこととします。

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