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2007.05.27

「大江戸ロケット」 八発目「恋も殺しもやるってさ」

 待ちに待っていた「劇団☆新感線 20th Century Box」が届いたので、ようやく舞台の「大江戸ロケット」を観ることができました。その感想は近日中に書きますが、大まかな流れはアニメ版とほぼ同一ながら、この第八話は、オリジナル展開でありながら、舞台で穴があった部分をフォローする内容となっていて、ちょっと感心しました。

 さて、そんな今回の内容は
・おソラさん正体バレその二
・赤井様更なる闇堕ち
・黒衣衆の華麗な連係攻撃
といったところ。今回は清吉たち長屋の連中は遠景に置いて、ソラの敵役である青い獣回りのエピソードとなっています。

 前回ラストで衝撃の殺人シーンが描かれた赤井様、操られているんだ、擬態されているんだ、という期待も空しく、己の意志で人を殺しては、その生き血を集めては青い獣が変じた女(以下、青い女)に差し出していたのでした。簡単に言えば、青い女の色香に迷ったという――着物の上からもわかるくらいすンごいナイスバディのお姉さんではありますが、本性は、なんか獣の槍を使いすぎた人たちみたいなアレなんですが。
 しかし、吸血美女に魅入られて辻斬りしては生き血を集める男、というと、個人的には岡本綺堂の名作「一本足の女」を思い出しますね。

 それはさておき赤井様、赤子連れの女を殺すわ、苛立ち紛れに清吉をボコボコにするわと、やっていることはゲスいのですが、それでもその姿に、嫌悪感よりも先に哀しみを感じるような造形となっているのはさすがかと思います。
 ことに、町をさまよいながら、長屋の連中はあんな暮らしをしていながら楽しそうなのに、何で自分は楽しくないんだと呟くという形で、彼の抱えた空虚さが描き出されるシーンにはハッとさせられました。
 ちょっとネタバレになりますが、舞台の方では、赤井と空の獣回りのエピソードに、ちょっと無理があったのですが、それをフォローしつつもこのようなドラマとして成立させてみせるとは、これだけでもアニメ化した甲斐はあった! というのは大袈裟にしても、一つの収穫かと思います。

 そんな、放っておくと異界を開きそうな有様の赤井様と対照的に、空の獣の出現により己の身の置きどころを見つけたのが銀次郎。今回、奉行所に押収された宇宙船のノズルを手に入れようと現れた獣姿のソラとやりあった結果、遂にソラが空の獣の一人だと知ってしまいますが…そこでソラを信じて共同戦線を張るのがいかにも銀さんらしくて格好良いのです。
 そして、ハニーフラッシュ…というよりデービール! という感じに変身したソラと青い獣の激突から、ソラ援護を決めた銀次郎指揮による黒衣衆の連係攻撃が、今回のアクション面のハイライト。特に黒衣衆の連係攻撃は、各人(除く耳。あ、あと臍様)が己の名となっている長所を生かして見事なアクションを見せつつ、それが同時にネタっぽさ満載のおかしさになっていて――特に腕の室伏チックな遠投で飛ばされた膝が空中から猛烈なニードロップ→着地して正座したまま滑っていく膝を踏み台にして踵がバーニングスマッシュばりのキックというシチュエーションが素晴らしすぎる――ある意味本作を象徴したかのような実に楽しいシーンとなっていました。

 そしてラストでは、長屋の面々が楽しく月見している一方で(そして今回も炸裂する源蔵さんのお母さんの息子いじめ)、赤井様が青い女と微妙に心をすれ違わせながら、またも凶行に手を染めんとする姿を描いて幕。
 何だかもう、月ロケット以上に赤井様の末路が気になって仕方がありませんが、何となく赤井に対して利用以上の心の動きを見せ始めたように思える青い女が気になります。


 そうそう、イベントの時聞いたミキティモデル未遂のキャラは青い女のことだったんですね。そりゃーいかんでしょう。


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