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2007.07.20

「モノノ怪」 第一話「座敷童子 前編」

 昨年、深夜アニメ「怪 ayakashi」中の一エピソードとして放映され、そのクオリティの高さで絶賛された「化猫」。私も折に触れては見返している大好きな作品ですが、その中でゴーストハンター役を務めた謎の薬売りが帰ってくる! と言うことで非常に楽しみにしていたのが本作「モノノ怪」であります。
 その第一回は「座敷童子」の前編。不幸にもサッカー放送が延長したおかげでビデオを録画し損ねて大いに悲しい思いをしましたが、第二回放送のその日に、ようやく見ることができました。

 雨の中、謎の薬売りが飄然と現れたのはとある老舗宿。彼の後から現れた一人旅の女・志乃は、一度は満室と断られたものの、自分が妊娠していること、そして追っ手に追われていることを必死に訴えます。
 宿の女将は、渋々普段客を泊めないという最上階の部屋に志乃を通しますが、そこにまで伸びてくる刺客の魔手。が、その時何者の手が刺客を捕らえ、そして残されたのは奇怪な姿を晒す刺客の遺体のみ…
 そこに現れた薬売りは、これがモノノ怪の仕業と断じ、部屋に結界を張るや、降魔の利剣を抜き放ちますが、さてそのモノノ怪、座敷童子の真と理とは――

 というあらすじの第一回ですが、全体的なクオリティの高さは相変わらず圧倒的。和紙のようなテクスチャによる背景美術は、無国籍的でありながらも「和」の香りを濃厚に孕んでおりますし、その中で息づくキャラクターたちも、声優陣の抑えた、しかし血の通った演技もあって、安心してみることが出来ました(それにしても、オサレなテイストを狙いながら、その狙いをほぼ成功させているのは、冷静に考えてみれば大したものかと思います)。
 しかし何よりも、その奇怪な舞台と物語の中で、こちらの不安感を否応なしに煽り立てる演出が、私にとっては印象に残りました。
 いかにも曰くありげな館に、志乃にのみ聞こえる子供たちの声。そして開かずの間にどこからともなく現れ消える子供…文章で表すと、大して新味のない要素も、本作のビジュアルと演出で描かれると、なかなか新鮮に感じられます。

 尤も――あまりにアーキスティックなビジュアルのおかげで、どこからどこまでが美術としての演出で、どこからどこまでが伏線なのか判別できない点もあったのが残念と言えば残念なところ(この時点で既にスタッフの術中に陥っているのかもしれませんが…)。
 そして何よりも、今回のエピソードの舞台と、「化猫」の舞台となったどこか歪んだ印象のある閉鎖空間――おぞましい曰く因縁を孕んだ屋敷という舞台とが、どうしても被って見えるため、全体のお話の印象も似てきてしまうのが気になります。

 もちろん、新番組第一話であって「化猫」を観ていない方、今回初めて薬売りに触れる方も多いと思われますので、その辺りはこちらの考えすぎかもしれませんが…まずは後編の仕上がりを待つとしましょう。

 ちなみに本作のOPは小松亮太&チャーリー・コーセイという色々な意味で信じられないようなコンビ。映像もなかなか意味深なビジュアルの連続で、既にOPの時点から作品世界が始まっているのだな、と思わされました。

 も一つちなみに漫画版は「ヤングガンガン」誌で「天保異聞 妖奇士」漫画版を連載していた蜷川ヤエコ氏により連載予定。…「妖奇士」の後に「ayakashi」発祥の作品を漫画化というのも、何だか因縁めいた話ではありますね。


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