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2007.08.20

「無明逆流れ」朗読CD 味わいは原作通りに

 第一報を聞いたときに「さすがにこれはネタだろう…」と思ってしまった、若本規夫氏朗読の「無明逆流れ」朗読CDをようやく聴くことができました。このCDは「チャンピオンRED」誌10月号の付録、「無明逆流れ」は言うまでもなく本誌で連載中の「シグルイ」の原作であって、ある意味究極のネタバレではあります。
 私はもちろん、原作は既読であるのでその辺りは別に気にしないのですが、それではこの朗読版の印象はと言えば…当たり前といえば当たり前ですが「ああ原作通り」というものでした。

 若本規夫氏といえば、最近は望んでか望まれてか、どの作品でも「ぶるぁ」節が目立っており、その是非はさておくとして、この朗読CDでもやられたらちょっと困るなあ、と思っていたのですが、すみません、それはあまりにもプロを舐めた考えでした。
 もっとも、虎眼先生はプチぶるぁでしたが、これはこれで原作の「五十に近い年でありながら、強靱な体躯と絶倫の精力に恵まれた虎眼」には忠実な演技に感じられます(ちなみに、私も「シグルイ」の印象が強すぎてちょっと忘れていたりしましたが、原作の虎眼先生は別に曖昧ではありません)。
 また、ファンの間では期待半分不安半分だった、いくと三重という二人の女性キャラの演技ですが、これがまたかなりいい感じで、特に三重の複雑なピュアぶりをなかなかうまく表現していたのではないかと思います。というより――この朗読を聴いて、本で読んだとき以上に、本作における女性の存在の大きさを感じさせられました(いや、単に若本氏の声のインパクトのせいかもしれませんが…)。いや、やっぱりプロの方は本当に凄い。

 個人的には、原作を全六章に分けている、その各章の間をもう少しタメてくれた方がもっとよかったかな、という印象はあるものの、上々の印象。もうこれで「駿河城御前試合」一冊丸々CD化しようよ! というのはちょっと調子に乗りすぎかもしれませんが、若本ファン、原作ファンとして偽らざる気持ちです。原作未読の方にとっては、冒頭に書いたとおりネタバレではあるのですが、これはもう原作と「シグルイ」の乖離具合を考えれば、今さら原作の展開を知っても、「シグルイ」の先の展開が、楽しみにこそなれ、興味を失うことにはならないでしょう。
 これが雑誌本体の価格五百八十円で買えるのは安い、と思います。…本屋で手に取る際に、「チャンピオンRED」誌を取り巻く何とも言えぬピンク色の空気に耐えられれば、ですが(このCDに並ぶもう一つの付録が、「どきどき魔女神判!」のクリアファイルたぁ…)。


「チャンピオンRED」2007年10月号(秋田書店) Amazon

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