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2007.10.03

「大江戸ロケット」 26発目「なんだかんだのリフトオフ」

 ゆうの仇である青い獣を討つ赤井。しかしご隠居の若返りの薬の効果で青い獣が大量増殖してしまう。一方、打上げ直前になって清吉はロケットの設計を変更するが、それを清吉がソラとともにロケットで脱出するためと見た遠山は打上げを中止させようとする。が、そこに赤井を斃した青い獣の群れが出現、銀次郎、鳥居と黒衣衆らがロケットに迫る青い獣を防ぐ中、遂にロケットはリフトオフするが…

 さあ泣いても笑ってもこれで最終回の「大江戸ロケット」、清吉の、ソラの、銀次郎の、赤井の運命やいかに!? と手に汗握って観てみれば…うははははは、ひでえ最終回<褒め言葉
 なんか前回の感想で、眉間に皺寄せて聞いたふうなこと書いてた俺涙目www

 もちろん、死闘の果てにゆうに看取られて(やはりあのピンクのやつはゆうの魂だったんだ…)逝った赤井の最期&EDカットの演出など、グッと来るシリアスな展開も用意されていますが、基本のノリはやっぱりコメディ。最後の最後の最後まで、どこから何が飛び出してくるかわからない本作のノリは健在で、明るい笑顔で最後まで見届けることができました。

 贅沢を言えば、せっかく鳥居様が「妖奇士」に続き大暴れwith絵に描いたようなツンデレライバル台詞で大活躍して下さった青い獣軍団との決戦があまりアニメ的に動いていなかったのが残念(いや何よりも、あのシーンこそ鉄十を大暴れさせるべきだろ 常考)ではありますが、逆に不満らしい不満はその程度。
 ロケットが打ち上がってから、ラストに至るまでのドンデン返しのつるべ打ちは、原作舞台を観ていても――いやそれだからこそ――非常に楽しむことができました(舞台ではサラッと語られたご隠居の秘密が、こちらではあんな形で爆発するとは…)。
 一番良いシーンで、「ボディを狙ってた」云々のしょーもないパロディネタを入れてくるセンスも相変わらずでしたしね。

 もちろん、単に楽しい、面白いお話というだけでなく、アニメ独自のテーマもきっちりと回収してくれるのが本作の素晴らしいところ。
 物語の冒頭から語られてきた、清吉がロケットを打ち上げるもう一つの理由である「江戸の人々に元気を与えたい」という思いが、前回提示された、科学技術が本質的に内包する危険性に対して、技術者が如何に身を処すべきか、という命題への回答ときっちりと結びついて、巨大なうねりを引き起こすという展開は――単なる「遊び」が社会を動かす力の一つとなるという痛快な皮肉も含めて――本作の一つの結末として、実に美事なものであったと思います。
(正直なところ、水野○○は、舞台で使われていた以前に、時代ものとしては当然使ってくるであろうネタで、扱いにはさほど期待していなかったのですが、まさかこうした形で絡んでくるとは…参りました!)

 原作を――そのメディアなりの特質を生かしつつ――再現するのはもちろんのこと、更に一歩推し進めて原作が秘めていた可能性をも提示してみせるのが、「原作付きもの」の理想と私は考えていましたが、本作はまさにその理想をきっちりと形にしてくれた感があります。

 更にこのサイト的な観点から言わせていただけば、時代ものとして観た場合に、滅茶苦茶をやっているようでいて、押さえるべきもの――単に時代考証や史実といった形式的な部分だけでなく、その作品をこの時代を舞台とした作品として作ることの必然性という、精神性の部分――をきっちりと押さえていた点は大いに評価すべき点と考えます。
 原作に中島かずき、脚本に會川昇、考証に近藤ゆたかという、およそこの業界で考えるに最高のメンバーが集まった以上、ただの作品で終わるわけはないと期待していましたが、その期待を遙かに上回るものを見せていただきました。


 個人的には、本作をアニメ界の「天下御免」と呼びたい…ってのは褒めすぎかもしれませんが、時代アニメ史上に残る作品であることは間違いないでしょう。
 何はともあれ、半年間もあっという間。本当に楽しいものを見せていただきました。

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