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2007.10.28

「BRAVE10」第二巻 信頼という名の原動力

 来月ドラマCDの発売も予定されている新感覚十勇士伝「BRAVE10」の第二巻が発売されています。第一巻では服部半蔵の圧倒的な力の前に才蔵が屈したところまででしたが、この第二巻では、才蔵の再起と、伊佐那海の秘めたる力の謎を追う新たな冒険が描かれます。

 一度は心が折れながらも、佐助の厳しくも暖かい叱咤と信頼の念によって立ち上がった才蔵に、幸村が与えた新たな指令は、伊佐那海共に出雲に向い、彼女が徳川に狙われる、その理由を探ること。
 かくて主人公カップル&堅物の銃使い・筧十蔵という変則チームは、一路出雲を目指しますが、もちろん(?)平穏無事な旅ができるはずもなく、三人に迫る黒い影。
 「風」を自在に操る美貌の野盗にして、性格は血に飢えたドSの殺人鬼――その名も由利鎌之介が、三人の前に立ちふさがります。

 かくて伊佐那海を人質に取られた才蔵が如何に戦うか、それがこの巻のメインエピソードとなるわけですが、ここで才蔵が戦うことになるのは、鎌之介よりも、むしろ自分自身というのが面白い。
 ここで才蔵の過去に目を向ければ、伊佐那海に出会い、真田の食客となる前の彼は、非情に徹した暗殺者。誰をも信じず、誰にも信じられず、ただひたすら、暗殺の刃を振るうかつての彼の姿は、なるほど忍びとしては正しいものかもしれません。
 そんな彼にとって、伊佐那海や真田の勇士たちの存在は、重荷でしかないはず。しかし、一度は半蔵に完敗した彼を立ち上がらせ、そして伊佐那海を救うための原動力になったのは、その重荷――いや、「仲間」から寄せられる信頼の想いであったというのは、ベタではありますが、しかしやはり良いものは良い。

 絵柄といい、キャラクター造形といい、作品全体のトーンはあくまでもクールでカッコ良さ第一といった感のある本作ですが、そこにフッと、こういう骨っぽいところが出てくるところが、私が本作を気に入っている所以であります。

 もっとも、一つだけ文句をつければ、鎌之介のキャラクターが、いかにもよくあるキレてる奴の類型を出ていない上に、非常に不快な点(女の子の顔や腹を平気で殴るのはさすがに引く)ですが…仲間になるのは間違いないはずですが、さてその時こいつがどのように描かれることか。そこでこのキャラを掘り下げてきたら凄いんですが…


 さて、気づけば(まだ仲間になっていませんが)鎌之介の登場で十勇士もはや七人目。家康と並んで真田の強敵となるであろう大物(眼帯マニア…は別の漫画だ)も登場し、いよいよ物語は佳境に入った感があります。
 残りの勇士に、そしてこれからの冒険に期待しつつ――


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