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2007.11.06

今週の「Y十M 柳生忍法帖」 炸裂なまり胴

 前回、前々回と一つのクライマックスを迎えた「Y十M 柳生忍法帖」。前回ラストで虹七郎の一刀に面を割られた般若侠、その仮面の下の素顔は――サブタイトルに曰く「十兵衛見参」。

 そしてこれまで五人の仲間を斃した相手が何者か知った虹七郎と銀四郎は、もう驚いてるんだか怒ってるんだか喜んでいるんだかわからないようなもの凄い顔でその名を叫びます。
 折角十兵衛先生がえらく男前な表情で素顔を見せたんだから、お前らは自重しる、と言いたいところですが、それだけ衝撃だったのでしょう。

 もちろん般若侠が柳生十兵衛その人であることは、読者にとっては周知の事実ですが、会津側にとっては素顔は初お目見え。それでも一発で正体がバレてしまったのは、もちろんあのトレードマークと言うべき隻眼と、その恐るべき剣の腕前あってのこと。
 当時の日本でたぶん一番有名で、もしかしたら一番強い剣士と出会った二本槍は、なるほど五本槍を倒したのがこの相手ならばと納得しつつ、しかし自分たちは喜び勇んで立ち合おうとするあたり――武術と忍法の違いこそあれ――やはりこの二人も、己の技に絶対的な誇りと自信を持つ、風太郎忍法帖の登場人物です。

 しかし、そんな配下二人の出番を平然とかっさらったのは銅伯老。事前に今の十兵衛の身分を確認し、殺しても後腐れなしとわかった上で戦おうというのがイヤらしい。しかもわざわざ虹七郎の脇差を抜いて。
 その銅伯に、沢庵和尚の忠告もあらばこそ斬りかかる十兵衛ですが――銅伯の体は、十兵衛の太刀に斬られながらもそれをがっちりとガード…いやキャッチ。
 そこで太刀に拘泥せず、さっと手を離して脇差を抜いたのは十兵衛の大剣人たる所以でしょうが、しかし脇差も太刀と同じ運命に…

 沢庵に続いて十兵衛をも破った銅伯、ここで勝利の雄叫び代わりに叫ぶは「芦名銅伯流…忍法なまり胴」の術名。
 うむ、やはり忍者は術名を叫ばにゃいかんと変なところでこちらが感心してしまったところで、以下再来週であります。


 と、大いに盛り上がったこの三週連続掲載のラストであるところの今回、十兵衛の素面登場はちょっとあっさり目でしたが、その後の銅伯との対決シーンは迫力十分であったかと思います。

 にしても、銅伯の肉体の不死身性は、これまで何度も描かれてきましたが、そこに加えてこの秘術。斬っても死なない…どころか斬っても斬れない、しかも刀は奪われるでは、十兵衛にとって相性は最悪としか言いようがありません。

 さて、敵地のどど真ん中で牙を抜かれたに等しい柳生十兵衛の運命や如何に――

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