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2007.11.21

「天保異聞 妖奇士」(漫画版)第二巻 もう一つの妖奇士完結

 先日DVD第八巻をもって完結した「天保異聞 妖奇士」ですが、それとほぼ時を同じくして最終巻が刊行されたもう一つの「妖奇士」――それが本作、漫画版の「天保異聞 妖奇士」であります。

 この最終第二巻は、丸々長編エピソードを収録。
 小笠原の友人である北町与力・日鷹から探索を依頼されたのは、江戸の街角に、六角形を成すように並べられた六つの饅頭の謎。どう見てもたんなるいたずらにしか見えぬこの饅頭には、しかし途方もない企みと、意外な強敵の存在が隠れていた…というのがあらすじであります。

 設定的には妖怪退治の伝奇アクションものというスタイルを取りながら(もちろんそういう作品であるのは間違いないのですが)、良くも悪くも強烈なテーマ性を持った、一筋縄ではいかぬアニメ版に対して、こちらの漫画版の方は――特にこの第二巻は――かなりストレートな時代伝奇アクションという印象。

 ここから先はネタバレになってしまいますが、六つの饅頭に込められた真の意味、奇怪な術法に込められたのは、妖夷をもって江戸城を討ち滅ぼそうという一見突拍子もない陰謀。そしてその主魁は、かつて異界に渡り、漢神を操る男――すなわち、もう一人の往壓というべき存在であります。
 アニメ版においても西の者が漢神を用いていましたが、今回登場する敵は、往壓とはネガとポジというべき、表裏一体の存在であり、これはこれで実にオイシイキャラクターと言えます。

 上記の通り、物語の方も大仕掛けな時代伝奇ものとなっており、また往壓以外の奇士の活躍も散りばめてあって、まず時代伝奇アクションとしてはなかなか楽しい作品となっており――これはあまり言いたくないのですが――アニメ版よりもこちらが性にあう、という方もいるのではないかと思います。

 少なくとも、「妖奇士」の設定を使ったメディアミックス作品、もう一つの「妖奇士」としては十分以上に楽しめた本作。
 アニメ同様、こちらの方もこれにて見納めというのは大変残念なことではあります。
(ちなみに、アニメのラストを観た後にこちらのラストを読むと、ちょっと複雑な気分になったり…)


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 今週の天保異聞 妖奇士

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