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2007.12.31

2007年極私的時代伝奇ベストアワード

 さて今年の更新も今日で最後。昨日、一昨日と今年の十作品を(ちょっとだけ)真面目に選びましたが、今日は最後なので何も考えず、私が勝手に選ぶ2007年の時代伝奇ベスト○○賞をパーッといかせていただきましょう。

ベスト企画賞:「無明逆流れ」朗読CD(「チャンピオンRED」10月号付録)
 「シグルイ」(原作の「無明逆流れ」)+若本規夫という、ネタ的な意味ではベタな組み合わせを本当に実現させてさせてしまった異次元企画に。ある意味空気を読みまくった企画ぶりは、さすが「チャンピオンRED」ならではと言うべきでしょう。しかもドラマCDではなく朗読なので全て若本。三重もいくも若本。しかし若本しすぎずにきちんと原作の雰囲気を再現していたのは大いに評価できます。

ベスト名台詞賞:「武者震いがするのぉ!!!!」(「風林火山」庵原之政)
 ベスト名台詞は、局所的に大ブームとなったこれで決まり。(以前から顔芸で一部に知られた)瀬川亮の無闇に暑苦しい演技(と周囲の冷めた空気)と合わせてこその名台詞ではありますが、色々な場面で使用できる汎用性の高さも高ポイントでした。終盤で脚本家空気読み過ぎの再登場に全武者ブラーが湧いた。

ベスト地の文賞:「これはもう意味不明だが、おそらく、おれは伊藤一刀斎だ! ということなのだろう」(「柳生百合剣」より)
 …あなたは何を言ってるんですか、と突っ込みを入れるのも無駄としか言いようのない怪文。本当に意味不明ですが、言い切られては仕方ない。

ベストラストバトル賞:名無しvs羅狼(「ストレンヂア 無皇刃譚」)
 これはもう文句なしでしょう。最高に盛り上がるシチュエーションでの対決は、刀と剣の激突に加え、中国拳法チックな体術まで加わってのアクションで、大いに興奮いたしました。
 次点は「天保異聞 妖奇士」のヤマタノオロチvsスサノオ。動きは最高だったのですが、どちらも心神喪失状態の上に水入りで終わってしまったのが残念。

ベストキャラクターデザイン賞:菖源(「モノノ怪 海坊主」)
 青々とした髭と頭の剃り跡に赤い頬、片乳首を出した袈裟に尻のところには菊柄と、これはねえよ…としか言いようのない禁断のビジュアルには震えました。次点は同じく「モノノ怪」の「鵺」から、素肌に裃という、これまたデンジャラスなビジュアルの実尊寺はん。「モノノ怪」の坊主は危険すぎる。

ベストCV賞:山寺宏一(「ストレンヂア」羅狼役・「大江戸ロケット」銀次郎役)
 当たり前過ぎるチョイスではありますが、やはりこの方は外せません。特に「ストレンヂア」で明国の剣士・羅狼を演じた際の、周囲は中国語吹き替えなのに、何故か一人だけ自分で声当ててた時の衝撃が忘れられません。
 次点は「モノノ怪」での中尾隆聖。落ち着いた高僧ぶりと、「出世してぇんだよぉ」と若い頃の下品な声の落差が素晴らしかった…

ベスト助演俳優賞:和泉元彌(「柳生十兵衛七番勝負 最後の戦い」由比正雪役)
 主演賞はないのに助演賞。…それはともかく、バリバリの伝奇チャンバラ時代劇だった「柳生十兵衛七番勝負 最後の戦い」の中で、最も輝いていたのは、氏演じるところの正雪であったのは、多くの人が認めて下さるのではないかと。特に第三回と最終回での渾身の演技には涙腺をだいぶ刺激されたことです。奥さんともども新感線に出ればいいのにな…
 次点は実写版「しゃばけ」の仁吉を演じた谷原章介。「風林火山」の今川義元も好演でしたね。

ベスト悪役賞:クーマン神父(「次郎長放浪記」)
 本当はベスト狂人賞なんですが…そんなのを選んでどうするんだ、と寸前に我に返りました。それはさておき、キャラ立ち・描写的にこの受賞には文句はないでしょう。サマが意外とショボかったとか言わない。
 次点は「泣く侍」の伊藤様ですが、最近バイオハンターシルバみたいな立ち位置になっちゃったので。

ベストキャラクター賞:荒山徹
 …実在の人物ですが、あのトークショーを経験した者としてはこの人の名を挙げざるを得ない。あの時は事前にキャラ作りをして臨んだのではないかという疑いが頭から離れないくらい、期待通りのキャラでした。
 ちなみにベスト表情賞、「トークショーで作中のネタについて聞かれたときの困惑の表情」で。

ベスト作品賞:「柳生百合剣」(荒山徹 朝日新聞社)
 最後に、2007年のベスト作品賞を。昨日、一昨日と十作品取り上げた中でのベストは、ネタ的な意味でも、伝奇的な意味でも群を抜いていた本作を挙げさせていただきます。個人的に、最近の荒山作品は点を辛くしているのですが、本作は文句なしの快作でした。
 僅差で次点は「天保異聞 妖奇士」。今更言っても詮無いことではありますが、完全な形で発表されていれば――と口惜しくてなりません。


 と、何か「柳生百合剣」ファンブログみたいになってしまったのは内心忸怩たるものがありますが、2007年の時代伝奇ベストアワード、いかがでしたでしょうか。(他にも色々賞は考えていたんですが、ナニなネタばかりだったので没にしました)

 しかしこうして見ると、時代伝奇ものには、ネタっぽさという要素も重要なのですなあ…私だけですかそんなこと思っているのは。

 と、最後の最後までグダグダになってしまいましたが、本年の更新はこれで終わりです。来年もどうぞよろしくお願いいたします!


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