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2007.12.22

「鬼神降臨伝ONI」(小説版) もう一つの鬼神降臨伝

 鎌倉伝奇ネタを補充したくなり、以前紹介したゲーム「鬼神降臨伝ONI」の小説版を読みました。

 主人公の少年・北斗丸と、源頼朝の庶子・頼遠が、「鬼追う者」として妖怪退治の旅に出るという基本設定や、彼らを含めた五人の主要キャラの存在自体は変わるものではありませんが、物語展開やキャラクターの立ち位置は大きく改変されており、それなりに楽しむことができました。

 正直なところ、クオリティ的には、「ゲームのノベライゼーション」以上でも以下でもないのですが、元ゲームのシナリオを担当した早川奈津子氏によるものだけに、作品(というよりONIシリーズ)独特の雰囲気はよく出ていたように思います。
 内容的にも、物語のスケール自体はゲームよりもむしろ小さくなったにもかかわらず――いや、それがむしろプラスに転じて、人間と妖怪、そしてその間に立つ妖魔ONIという構造はより明確になった感がありますし、この戦いの起きた理由も、描写的にはもっと突っ込んで書いて欲しい気もしましたが、しかしゲームではまず扱いにくい、小説ならではのものとして評価できます(法輪の扱いは微妙ですが…)


 元ゲームに触れたことのない方には全くお勧めしませんが、元ゲームのファンの方が、もう一つの「鬼神降臨伝ONI」として楽しむ分には、十分にその用に足りるものと言えます。
(個人的には物語の設定年が明確になったので満足なんですが、さすがにそういう人間は滅多にいなかろう…)


「鬼神降臨伝ONI」(小説版)(早川奈津子 小学館スーパークエスト文庫) Amazon

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