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2007.12.07

荒山徹トークセッション 「朝鮮、柳生、そして…」 (その一)

 全国の荒山徹ファンが待ちに待ったトークセッション。池袋のジュンク堂で昨日開催されたこのイベントに、もちろん私も行って参りました。
 聴衆は三十名前後でしょうか、大きくない会場は満員に近い人の入りで、もの凄い熱気。細谷正充氏の司会も見事で、非常に充実したイベントとなりました。
 というわけで以下、イベントの概要を。できるだけ要約しますが、あまりにも充実しすぎてあまり要約になってないかも…長すぎるので、数回に分けて掲載します。
斜体は、私のコメント・ツッコミ等)

朝鮮との出会いについては有名なので省略
細:なぜ朝鮮の歴史なのか?
荒:勉強するならまず歴史からと思った。一年間語学留学もした
細:その結果がなぜ小説なのか?
荒:勉強した結果を何か形に残そうと思っていた時、李舜臣に関心を持った。題材的に小説向きだと思ったし、ミステリなど、小説を読むのは好きだったので

細:ミステリはどのようなものを
荒:カー、アイリッシュ、クレイグ・ライスなど。ハードボイルドでは、W・P・マッキバーンやハドリー・チェイスなど
細:時代小説では
荒:入り口は二つ。一つは柴田錬三郎で、「少女コミック」で上原きみ子が柴錬の大ファンと書いていたので興味を持った。もう一つは、ミステリの方から入った角田喜久雄。時代物は伝奇中心。伝奇に体質が合った。
その後、就職してから忙しくて離れていたが、たまたま手に取った隆慶一郎先生の「一夢庵風流記」が面白くて、この世界に戻ってきた。

細:作品での隆慶先生の扱いは、あれは親愛の情の表れということか
荒:そう思ってください
細:山田風太郎や五味康祐は
荒:どちらも小説を書くようになってから。山風は「魔風海峡」の勉強の時に(「高麗秘帖」を書いたときは「忍法破倭兵状」の存在は知らなかった)。
以前、「くノ一忍法帖」を読んでいたが、女性の扱いなど肌が合わなかった。新書で復刊されたときに読んだ「魔界転生」は面白かったが、その後に読んだ「甲賀忍法帖」はいまいちだった。
自作で「魔界転生」にこだわって見えるのは、初めて面白いと思った山風作品だからだろう。

細:五味先生が一番なのでは
荒:尊敬してます。好きです。何か現代の日本人とは違う人種を書いているような…
「柳生武芸帳」は、個人の思惑を省みずに集団のために行動する様が、国際謀略小説に似ていると思った
細:荒山先生にとっての柳生はどこから来ているのか
荒:柳生十兵衛は山口崇の演じたものから。だから私の作品の十兵衛は山口崇。千葉真一や近衛十四郎の十兵衛は違う!
直接的には、八年くらい前にハイキングで芳徳寺に行ったときに、柳生家の墓が並んでいて、現実の人々だったのかとショックを受けてから。小説から入ったわけではない
細:キャラクターとしては十兵衛が好きか
荒:好き嫌いで言うと宗矩(場内爆笑)。歴史にちゃんとした足跡を残しているが、残っていないと小説にするときにとっかかりがつけにくい。宗矩あっての十兵衛である。
宗矩は、「柳生一族の陰謀」の萬屋錦之介が好きだった

細:愛情があれば何をやってもいい、というわけではないでしょう。柳生の扱いに非難はなかったのか
荒:最初はビクビクしていたが、もう、相手にされていないのだなと開き直った。宗矩にはこれからもお世話になる
細:宗矩を使いすぎると、作品間の整合性が合わなくなるのでは
荒:全く気にしていない。困ったのは、「柳生百合剣」の編集から、十兵衛の開いている目が「柳生薔薇剣」の時と反対と言われ、どうしよう…と。
細:宗矩の息子たちも追っていくのか
荒:そのつもり。数が少ないときは、女の子がいたとか、双子だったとか、幾らでも手はある

細:作品に自分十兵衛が出てくるが、とにかく創作してしまうのか
荒:十兵衛が好きなのだとは思うが、いつの時代にも十兵衛が欲しいと思ってしまうオールタイム十兵衛と思っている
「魔岩伝説」の時は、「十兵衛の千倍強いので卍兵衛(まんべえ)!」としたかったが、編集者から弱そうと止められたので「ばんべえ」とした。

細:作中にネタの仕込みが多いというか、冗談が山のように仕掛けられているが、基本的に好きなのか
荒:ネタというと…(心底困惑したように)
細:例えば「百合剣」の柳青隊の歌とか
荒:私の子供時代は特撮ヒーローものの洪水の中に育ったので、あれが一般教養。それがつい…ということ。昔の時代小説だって作中に遠藤周作や吉行淳之介が出てきたりして、お遊びが多かったのでは
細:しかしやりすぎ感があるが
荒:どこで止めていいのかちょっとわからない。どうせやるなら徹底的にとこれでもちょっと節制を効かせているつもりですが…

(その二に続く)

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コメント

 おお、早速三田さんもレポートを。
こうして見ると、やっぱ当方の抜けやミスがわかって、
ありがたいでアリマス(特に作家名とか…)
また後で参考にさせてもらってもよろしいでしょうか?

投稿: 神無月久音 | 2007.12.07 01:26

コメント早!

どうぞご自由にご覧下さい。
というかやっぱり神無月さんの記事の方が面白いや(笑)
あとは任せた!

投稿: 三田主水 | 2007.12.07 01:32

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