「夢源氏剣祭文」第一巻 些かも違和感なき漫画化
連載開始時から何度か本ブログでも言及してきた「夢源氏剣祭文」の漫画版第一巻が発売されました。
原作はもちろん小池一夫せンせいの同名小説ですが、その絢爛でいて切なく美しい世界を、皇なつき氏は見事にビジュアライズしています。
鬼に噛まれ、さらに妖星の力を宿したことにより、いずれは魔鬼と化す宿命を背負わされた少女・茨木を主人公にした本作。作中時間では実に長きに渡ってストーリーが展開しますが、この第一巻はその導入部といったところでしょうか。
茨木と鬼の出会いに始まり、足柄山の山姥とその息子・金太郎、そして大盗・袴垂保輔との出会いと別れまでが、本書で描かれています。
正直なところ、このペースで行くと完結は何時になることか…という大きな不安はあるのですが、しかしそれを除けばこの漫画化は文句なしの大成功と言えるでしょう。
人間と鬼という二つの存在が、時に対立し、時に交わるときに生まれる厳しくも暖かい物語。その物語を彩る様々な登場人物たちが、あたかも初めからこの漫画のために用意されていたかのように些かも違和感なく登場し、活躍する様には、原作ファンとして大いに感心しました。
特に、盗賊に身を堕としながらも熱い心を持ち続ける快男児・袴垂保輔のビジュアルのはまりっぷりには驚かされました。
時間と空間を超えて、平安時代のオールスターキャストが活躍するこの物語には、これからまだまだ多くのキャラクターが登場することになりますが、このクオリティであれば全く問題ない、というより少しでも早く、皇氏によるあのキャラこのキャラが――そしてそんな中で成長を遂げていく茨木の姿を――見たいと強く思わされる、そんな一冊です。
「夢源氏剣祭文」第一巻(皇なつき&小池一夫 小池書院 キングシリーズ/刃コミックス) Amazon
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コメント
連載当時、「日曜くらぶ(毎日新聞日曜版)」を毎週楽しみにしていた者としては、「森田画伯の挿絵以外考えられないよ!」とも思ってるんですが、三田様がそこまでおっしゃるのなら読んでみようかな?
しかしつらつら思うに、私の読書の嗜好はかなり毎日新聞の連載小説によって形成されとりますな。
投稿: まさ影 | 2007.12.12 21:03
なるほど、私は単行本しか読んでいないので、また印象が異なるかもしれませんね。
でも違和感はないですよ~
しかし新聞の日曜版は、結構変わった作品が連載されていて楽しいですね
投稿: 三田主水 | 2007.12.13 23:52