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2007.12.07

荒山徹トークセッション 「朝鮮、柳生、そして…」 (その二)

トークセッションレポートの続きです。その一から読んで下さいね。

細:特撮好き・怪獣好きという印象があるが
荒:確かに好きだが、それが当たり前だった。自分で書いて楽しいし、読む人も楽しいのでは
細:「魔風」で石仏が動いたところで、世界観が変わった印象がある。あれは「大魔神」か
荒:「仮面の忍者赤影」の金目像。赤影が大好き。仏像が動いてなぜ悪い
細:八岐大蛇(「柳生雨月抄」のワンゴン様)の元ネタは
荒:「八岐大蛇の逆襲」という作品を観ていたらビデオデッキが壊れた。修理に出して戻ってきたらレンタルの延滞料が八千円くらいかかっていたので、何とか元を取ろうと思った
細:モスラは
荒:私の同郷の大作家が原作者だったので、そのよしみでこっそり使った
※(原作者は三人いますが、同郷ということであれば堀田善衛でしょう)

細:宝塚など好きなのでは…
荒:はい、好きです。四年前に「捨て童子 松平忠輝」が上演されたのを観たのが初めてだが、それ以来魅入られた
女性が男になって、女性とのロマンスを繰り広げるというのがなかなか面白かった
細:作品にも現れている一種の倒錯美に通じると思っていいか
荒:女が男に、男が女に…というのは非常にケレン味があるし、ドキドキするし好き
細:「柳生大戦争」で花郎隊が出てくるが
荒:自分の中で宝塚を作りたいと思った
細:短編のタイトルでそのものズバリのものもあったが(「オール讀物」2007年9月号掲載「我が愛は海の彼方に」)
荒:好きだからそれでも許されるかもしれないと…

細:井坂十蔵が登場して噴いたことがある
荒:あれは意識していたというか…手が勝手に。ウケを狙うというのではなく、そっちの世界に入ると、小さい頃慣れ親しんだものとの一体感が出てしまう。後で削った方がいいかとも思うが「まあいいか」と思ってしまう。
細:編集や校閲にネタが気付かれることは
荒:八割方ない感じ。気が付いても、「またやってる」と思われているのでは
細:ネタを作るのに時間がかかっているのでは。柳青隊の歌などは
荒:あれは、柳生青年隊⇒略して柳青隊⇒りゅうせいたい⇒りゅうせい…⇒「流星 流星 流星」 という感じ。二番も作ろうと思ったが、「怪獣 怪獣 怪獣」⇒あ、戒重 という感じで、特に苦労はしていない
ちなみに青年隊は「暴れん坊兄弟」から取っている
細:時代劇にはTVから入ったのか
荒:月代が嫌いで、時代劇はあまり観ていなかった。月代を剃っていない三船敏郎が出ていたものくらい。時代劇を観るようになったのは、小説を書くようになってから

細:「柳生大戦争」の発想の原点は
荒:日本から解放された韓国が、古代史において幾つかのことを否定しているが、そんなに早急に抹殺していいのだろうか、という問題意識がある。「魔岩」では箕子朝鮮否定を、「魔風」は任那否定を暑かった。「大戦争」の檀君神話は、否定されていたものが逆に復活したもので、これに対する問題意識から来た
細:捏造というものに何故こだわるのか
荒:伝統というものが捏造されるというのが、日本を含めた近代国民国家の創生と共にあった流れ。国民国家の創生以来、色々なものがでっちあげられてきたが、二十一世紀にもなって、そんなものを振りかざしていていいのか。近代に捏造されたものが、国家間の友好を阻んでいるのではないか。そんな想いが根っこにある
細:それで何故荒山作品が伝奇なのか理解できる
荒:捏造自体が伝奇小説。明治以降の日本神話のように、一時は国民の発憤材料になるが、続けすぎるとやばいのではないかと思う。その実例が第二次大戦前の日本

細:朝鮮以外に興味のある国・地域は(この辺りから参加者の質問を元に展開)
荒:興味があるのは朝鮮・韓国だけだが、日本と朝鮮のことを理解しようとすると、二カ国共通の母体である中国を知らないわけにはいかない
また、朝鮮の対比としてベトナムも面白そうだと思っている
細:スペインはどうか
荒:スペインは特に…
細:ジンゴイズ(「柳生大戦争」)という発想は一体どこから
荒:いやあ…どこから…うーん…何ででしょう。スペインは逢坂剛が好きだから?
細:しかし何故神後伊豆がジンゴイズなのか(しつこい)
荒:ジンゴイズム(好戦的愛国主義)という言葉がある。これを思い出して、ジンゴイズム…あ、ジンゴイズ! じゃあスペイン人♪ という感じ

(その三に続く)

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コメント

やっぱりタカラヅカ好きなんだ。

投稿: まさ影 | 2007.12.07 02:18

いや、大当たりでしたね。
本当に好きそうでしたよ…ヅカの話をしてらっしゃる時の微妙な熱の入りようが

投稿: 三田主水 | 2007.12.08 01:35

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