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2007.12.26

今週の「Y十M 柳生忍法帖」 なるか地獄脱出?

 さあ年越しを前にして大変な展開の「Y十M 柳生忍法帖」。獣心香により、まさしく獣心に囚われた女たちに襲いかかられて、肉布団の布団蒸し状態となってしまった十兵衛の運命や如何に――

 無駄にエフェクトの効いた画で襲いかかる女たちに取って食われそうな(性的な意味で)十兵衛先生。媚薬で狂わされた女が相手ではさしもの十兵衛も分が悪い。たちまちのうちに女たちの山に押し潰されて…
(しかしこの辺り、量が多すぎてエロというよりほとんどゾンビ映画の世界であります。屍美女軍団?)

 ついには十兵衛を巡って女たち同士の醜い争いまで始まって、何ともこう、色々な意味で目のやり場に困る中、ただ一人、十兵衛の躰に張り付いた女の姿が。
 十兵衛から離れようとしないその姿に悪趣味な好き心を刺激されたか、もっと近くで見ようとわざわざ牢を開けて中に入っていくバカ殿明成とお供の一行ですが――と、十兵衛に近づいた明成の喉元に擬せられたのはまごうことなき十兵衛の一刀! そこにはいつの間にか手足の縄を断ち切った十兵衛の姿が…

 まさに花地獄の大逆転の再現ですが、明らかにその時よりも(ビジュアル的にずいぶんわかりやすく)十兵衛が怒っている理由はさておくとして、気になるのは、寸鉄一つ帯びていなかった十兵衛の手に、いま刀がある不思議。
 その不思議のタネが、あの、十兵衛にしがみついて離れなかった女にあると睨んだのはさすがに芦名銅伯でしたが、さてその女の顔は――と思えば、それは使者として城を出たはずのおとねさん!?

 と、何度も驚かされたところで次回――来年に続きます。


 さて今回のどんでん返し、私は原作読者として当然先の展開を知っていたのですが、やっぱりいいものはいい。見ようによっては相当陰惨な展開だっただけに、実に痛快な大逆転劇であります。
 十兵衛女責めのシーンをもう少し長く描かないと、十兵衛に長々としがみついている女がいることに牢の外の連中が不審を抱かないんではないか、という気もしましたが、まあそれは置いておくとして――

 そして、この逆転劇を抜きとすれば個人的に一番感心させられたのは、おゆら様の描写であります。
 自らも獣心香の虜となって、牢の外で明成に抱かれるおゆら様。何かに耐えるようなその表情は、快楽を長く味わう為なのか、それとも別の想いを堪えているのか。
 そしてその姿に被さるように響く女たちの「離れや!」「離れやァ!!」の言葉を、本当に発したいのは誰か。
 サービスシーンの中に、おゆら様の心情を交えてみせるせがわ先生の筆の冴えには、大いに唸らされた次第であります。


 残る物語もあとわずかですが、来年も痛快な展開を期待しつつ、まずは今年の「Y十M」感想はおしまい。

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