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2007.12.02

「箱館妖人無頼帖 ヒメガミ」第一巻 少女剣士の成長や如何に

 以前、連載開始時に紹介いたしました環望先生の「箱館妖人無頼帖 ヒメガミ」単行本第一巻が、早くも発売されました。
 本作については連載開始時にも紹介しましたが、改めて単行本としてまとめて読むと、また印象が――もちろん良い方向に――変わってくる部分もあります。

 戊辰戦争から十年後、無国籍・無法の町と化した箱館を舞台に、異国からやって来た妖人たちを斬って斬って斬りまくる二人のバトルヒロインの姿を描いた本作。その刺激的題材と、それ以上に刺激的なヒロインたちの(作者入魂の)ムチムチっぷりに目を奪われがちとなりますが、その根底にあって物語を支えているのは、意外なまでに――と言っては大変失礼なのですが――丹念で誠実な、主人公・彪の人物描写だと感じさせられます。

 正直なところ、この第一巻の後半に収録されているエピソードを雑誌連載時に読んだ際には、物語のスピード感が落ちたようで些か不満であったのですが、こうして一冊にまとまってから読んでみると、まだ登場したばかりの彪の――ある意味何でもアリのもう一人の主人公・ヒメカとは異なる――複雑な内面が、まだその一端ではありますが、描かれていることがわかります。

 箱館戦争で命を落とした父・土方歳三(!)が遺した使命に駆り立てられるまま、孤独に妖人を狩り続けてきた彼女が、ヒメカとの、ヒメガミとの出会いでどのように変わっていくのか(まァ人間そうそう簡単に変わるものではありませんが、しかし人と人との関わりというのは思わぬ化学反応をもたらしますからね)。

 一体全体どのような秘密が込められているのか、伝奇ファン・時代劇ファン的には気になってしかたがないストーリーの本筋はもちろんのこと、人ならざる者との戦いの中で、彪が人としてどのように成長していくかにも期待していきたいと思います。

「箱館妖人無頼帖 ヒメガミ」第一巻(環望 講談社マガジンZKC) Amazon

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