「鞍馬天狗」 第五回「山嶽党奇談 後編」
こないだうちの母から来たメールに「お主」とか書いてあったので打ち間違えかと思ったら「あのとき「鞍馬天狗」観てたから」とか言っていて、なるほどこういう層に(も)人気があるのか…と感心しました。
その「鞍馬天狗」の「山嶽党奇談」後編。
桂小五郎演じるニセ鞍馬天狗を使っての山嶽党潜入作戦とか、どんどん武闘派になっていく白菊さんとか、色々と面白い題材はあったのですが、やはり面白かったのは天狗と近藤勇の関係の描写でしょう。
図らずも共通の敵の出現の前に肩を並べて刃を振るうこととなったのをきっかけに、どんどん天狗ラヴになっていく近藤(そしてそれを目の当たりにして複雑そうな表情の土方)。
その近藤が、上からの圧力で自由に動けなくなった時に(もちろん後できっちりと裏をかいて敵を殲滅するんですが)、天狗が代わって敵の黒幕を討つというシチュエーションが面白い。
(本人が望むと望まざるとに関わらず)組織に縛られたの近藤に対し、浮き世のあれこれに縛られることなく単騎で遊撃戦を展開する鞍馬天狗というのは、両者の立場というより、思想の違いすら感じられて、興味深い対比だったかと思います。
もっとも、本来であれば勤王浪士方にも組織の枠というものがあるわけで、その辺りが描かれれば、小野宗房=倉田典膳と鞍馬天狗を演じ分ける意味も出ると思うのですが、それはさておき。
そして、その両者の敵となる山嶽党の正体が、原作においては単なる職業的暗殺結社だったのに対し、今回のドラマ版では社会主義的革命結社となっていたのは、原作の執筆年代なども考えるとなかなか興味深いものがあります。
しかし、もっともっと腹黒くて悪い、絵に描いたような黒幕が出てきたおかげで、このドラマ版山嶽党の独自性が薄れてしまったのは個人的には残念なところ。山嶽党をもう少し天狗と対比させて描いていたら、天狗の内包する矛盾や、それでもなお浮かび上がるヒーロー性といったものも描けたのではないかしら、と思いました。
(いや、単純明快なヒーローの方がウケるんでしょうけどね)
さて、大仕掛けなエピソードの次は人情ものチックなお話のようですが…果たしてどうなることでありましょうか。
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