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2008.06.14

「絵巻水滸伝」 第七十一回「浪子」前編 痛快豪傑絵巻いよいよ再開!

 怒濤の第一部完結から早八ヶ月…「絵巻水滸伝」の第二部が、昨日からWebサイト上での連載が開始されました。
 期待と不安と共に第二部の連載開始を待ち続けていた身としては、実に、実に嬉しい知らせであります。

 「絵巻水滸伝」についてはこのブログでもこれまで第一部全十巻を紹介してきましたが、もう一度ここで紹介すれば…
 「絵巻水滸伝」とは、文:森下翠、絵:正子公也のコンビによるリライト版「水滸伝」。「文」においては、原典にあった矛盾点や理不尽な部分を解消しつつ、人物やストーリーの魅力を最大限に引き出した追加・再構成を行い、そして「絵」においては、英雄画を描かせれば当代随一の筆でもって、原典の数多い登場人物たちの個性を極限まで引き出し――私も大の水滸伝ファン、これまでも様々な水滸伝を読んできましたが、その中でもおよそ最上級の作品と断言できます。

 さて、第一部は梁山泊に豪傑一百零八人が集結したところまでが描かれましたが、第二部の舞台はその数年後から。いよいよ荒廃の進む大宋国を、梁山泊目指して旅する三人の少年が出会うという、本作オリジナルの場面から、物語が始まります。
 ちょっと気が早いですが次世代の物語を予感させる三人の前に現れたのは、この第七十一回のタイトルの由来(の一人)であろう浪子燕青。第一部のラストでもほとんど主役級のフィーチャーだった燕青ですが、今回も実においしい登場シーンであります。

 そして舞台は移り梁山泊。燕青と三人の少年たちが、東京に献上される灯籠を奪ってきたことから、ほとんどその場の勢いで、宋江らは東京の元宵節の灯籠祭見物に出かけることになって…と、ここからは原典にあった宋江の東京行となります。
 この東京でのエピソードは、原典をお読みの方であればよくご存じの通り、後半の物語で大きな意味を持ってくるもの。わずか数行の出番に過ぎないながら、実に「らしい」言動を見せてくれる好漢たちの姿にニンマリとしていたところで、燕青の前に、もう一人の「浪子」の寵愛甚だしい傾城の美姫・李師師が登場したところで、後編に続く、ということと相成ります。


 さて、いよいよ始まった第二部ですが、原典通りの展開であれば、この後梁山泊は、大遼国と対決し、そして王慶・田虎・方臘と死闘を繰り広げることになります。
 この、いわゆる「征四寇」の物語は、正直なところ一百零八人が集結するまでに比べると、いささか精彩に欠けるというのが正直なところで――そして何よりもファンにとってはあまりに悲しい展開もあって――、きちんと描かれることの少ない部分ではあります。
 しかしながらこれまでも我々ファンの期待に応えつつ、それ以上のものを見せてきてくれた本作。第一部でも今後の展開に関する伏線が散見されておりましたし、何よりも、この先の物語を面白くしたいという気持ちは、森下&正子両氏こそが、最も強く持っているであろうことを考えるに、私は全く心配していません。

 ほとんど不意打ちのような連載開始(公式ブログの方では香港旅行記が掲載されていますしな)には大いに驚かされましたが、これからこの先、もっともっと我々を嬉しく驚かせてくれることでしょう。あとは、この痛快豪傑絵巻の次回の更新が少しでも早いことを祈るのみ、です。


公式サイト
 キノトロープ/絵巻水滸伝


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