« 「四ツ目屋闇草紙」 鳴滝塾五十八番目の男、江戸に現る | トップページ | 「諸刃の博徒 麒麟」第4巻・第5巻 時代を対手の大勝負 »

2008.07.27

「危機之介御免」音之弐盤 「未来之危機」 結構しっかり時代劇?

 「マガジンZ」誌での連載終了から、近頃まさかの(失礼!)復活を遂げた「危機之介御免!」のドラマCD第二弾はオリジナルストーリー。ニューキャラクターとして杉田玄白とその娘・糸を迎え、ちょっとだけシリアスに物語が展開していきます。

 タイトルとなっている「未来の危機」とは、作中で杉田玄白が、翻訳中であったかの「解体新書」を指して「これはこの国の先行きを開くものだ。医術の未来、世界と日本の未来だよ」「これが世に出せないとしたら未来の危機だ」と語ったのに由来します。
 すなわち、今回のエピソードの中心となるのは、「解体新書」。この「解体新書」を、すなわち西洋医学の、いやさらにいえば西洋文化の導入を巡り繰り広げられる騒動が描かれることとなります。

 さて、連載当初は、江戸時代を舞台にしての現代のパロディという色彩が強かった本シリーズですが、今回の危機之介の物語は、ちょっと――いやかなりシリアス。無残な人死にが多く出たり、レギュラーキャラに重傷者が出たりということもありますが、それ以上に、メインとなる物語が、結構しっかりと時代劇してるのです。
 「未来」をこの国にもたらそうとする者、それを拒み、阻もうとする者――この両者が生む軋轢に巻き込まれたフツーの若者たちがいかに考え、行動するのか? 今回の「危機之介」はそんなお話であります。

 …と言いながらも、登場人物たちの良い意味のユルさは今回も健在。初登場の杉田玄白は、「もう死ぬ」が口癖の妙なおっさんですし、危機之介・十三・ウタの主役トリオも原作そのままの呼吸でなかなか楽しい。そして何より、藤原啓治氏が、平賀源内の絶妙な胡散臭さを見事に演じていて、さすがはと感心いたしました。
 そしても一つ…声優といえば、伊藤美紀氏による異常なテンションの講釈(ナレーション)は必聴もの。このCDの魅力の何割かはこの講釈にあるかも…

 さて、ライナーノーツの原作者の言葉によれば、このドラマCDは、新章のパイロット版となっているとのこと。以前の「危機之介」も悪くありませんでしたが、これからの「危機之介」にも期待できそうです。


「危機之介御免」音之弐盤 「未来之危機」(ランティス CDソフト) Amazon
ドラマCD 危機之介御免 音之弐盤


関連記事
 「危機之介御免」第一巻 バイタリティ溢れる愛すべき作品
 「危機之介御免」第二巻 危機スケールアップ!?
 「危機之介御免」第三巻 繋がった二つの時代

|

« 「四ツ目屋闇草紙」 鳴滝塾五十八番目の男、江戸に現る | トップページ | 「諸刃の博徒 麒麟」第4巻・第5巻 時代を対手の大勝負 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/41988061

この記事へのトラックバック一覧です: 「危機之介御免」音之弐盤 「未来之危機」 結構しっかり時代劇?:

« 「四ツ目屋闇草紙」 鳴滝塾五十八番目の男、江戸に現る | トップページ | 「諸刃の博徒 麒麟」第4巻・第5巻 時代を対手の大勝負 »