「太王四神記」 第24話「二千年の時を越えて」
泣いても笑ってもこれで最終回の「太王四神記」。今回はいつもよりも長い80分ノーカット放送ということで、それでも最初から最後まで中身は詰まりっぱなしの展開でありました。
遂にスジニとの再会を果たしたタムドクは、彼女を自分のもとに連れ帰りますが、喜びもつかの間――火天会の手により高麗にあった二つの神器は奪い取られ、更にタムドクとキハの間の子・アジクもまでもが火天会の手に落ちることに。
かくてタムドク率いる高麗軍は、火天会の本拠地である阿弗蘭寺で、ヨン・ホゲ率いる後燕・火天会連合軍との大決戦に挑むことに。そしてそれと時を同じくして、大長老は四つの神器とアジクの心臓を用いて天の封印を解かんとしますが…
と、こうして見ると、まことにラストにふさわしい内容ですが、実は韓国の視聴者や、BShiで放送を見た方の感想では、かなり酷評されたこの最終回。
いざ自分の目で見てみれば、なるほど、ここが不満点や突っ込みどころかとよくわかりましたが、先に十分覚悟しておいたためか、ほとんど失望せずに見ることができました。
おそらくは不満の最たるものは、タムドクが阿弗蘭寺に突入して後の展開、キハが黒朱雀と化した後、タムドクが天弓ともども四神の神器を破壊してからの展開があっさりしすぎて、その後の物語が切り落とされてしまったように感じられる点でしょう。
確かに、大見栄切って飛び出してきた大長老が一撃で文字通り粉砕されたのにはガッカリしましたし(これは本当に不満…その前のキハとの入れ代わり格闘シーンが妙に長かっただけに)、神器が破壊された後にヒョンゴ・チュムチ・チョロの三人がどうなったのかが描かれなかったのもスッキリしません。
それよりも何よりも、チュシン王の、己の役目を悟ったタムドクが、その後にどうなってしまったのか――それが語られることなく、ここで物語がスッパリと途切れてしまい、次のシーンで描かれるのは広開土王碑の文面…なるほど、確かにこれは面食らいます。
しかし、私はこのラスト、それほど嫌いではありません。
二千年前とはほぼ同じ――黒朱雀となった側は入れ代わったものの――シチュエーションの下で、神話の時代とは異なる道を選んでみせたタムドクの行動。それはタムドクの言葉に明確に示されていたように、天の力との訣別、人が自分たちの力のみで生きていくことの選択であると同時に、キハが抱きつづけた天道への疑問への解答でもあります。
そして、タムドクが天と訣別したことにより、人が天の力に依ってきた神話の時代は終わり、それに続くのは人が紡ぐ歴史――ラストで描かれた広開土王碑の文面は、神話から歴史へ、物語から史実へと、人が生きる世界がシフトしたことの象徴なのでしょう。
(そう考えると、タムドクや四神のその後が不明なのも、「物語」が終わった以上、登場人物のその後も描かれるのは必要はない…ということと解することができるかもしれません。寂しい話ではありますが…)
何はともあれ、「太王四神記」はこれにて完結。
前半に比べると、終盤の展開が駆け足気味・迷走気味であったのは否めません(その意味では個人的な頂点は第17話でした)が、それでも最初から最後まで、しっかりと楽しませていただきました。
個人的には、日本でもこのくらいのスケールの伝奇活劇が作られないものかなあ…と無い物ねだりの一つもしたくもなりますが、まあそれはよいとして。
10月からは、NHK-BSにてノーカット版の放映が始まる由。結末まで見た今、もう一度始めから見直してみるのも、また新たな発見があってよいかもしれません。
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