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2008.10.08

「水滸伝」 第01回「大宋国の流星」

 八十万禁軍の師範・林中は、役人と揉め事を起こした武松を逃がしてやったことがもとで新任の近衛軍司令官・高求に睨まれて軍籍を剥奪された上、無実の罪で死刑の判決を受ける。宋江のとりなしで流罪となった林中だが、その旅の途上でも高求の魔の手は迫る。

 長いこと見たくてたまらなかった、TVドラマ版「水滸伝」がDVD-BOX化されました。もちろん喜び勇んで飛びついたのですが、これが想像以上によく出来ていて、少なくともこの第一話を見た限りでは、きちんと「水滸伝」している印象です。

 それは、なかなかに気合いの入ったセットなどの美術による点ももちろんですが、何と言っても素晴らしいのは、このドラマの正邪二人の主役と言うべき林中と高求(書きやすい名前でいいなあ…)が、実にイメージ通りのある点。
 林中を演じる中村敦夫は、ギラギラした熱さと寡黙さが同居した演技で、民衆を思う熱血と、軍人としての愚直さを合わせ持つ林中のキャラクターを好演。そのもどかしいくらいの生真面目さは、ああ初期の林冲だよなあ…と感心しました。
 一方の高求の方は、これはもう佐藤慶の高求っぷりが異常な完成度。どこからどう見ても横光漫画の細面の陰険キャラにしか見えないビジュアルに、大いに感動いたしました。

 さてこの第一話は、ストーリー的にはほぼ原作冒頭と同じなのですが、かなり異なっているのが林中を巡るキャラクター配置。魯智深の代わりに林中と交誼を結ぶのは武松ですし、高求の前の林中の上官は何と呼延灼!

 そして本作のヒロイン・扈三娘も、この第一話から顔を見せることとなります。
 この扈三娘、初登場シーンが、一族からの献上品として高求に生き人形として献上されるというかなり強烈な展開なのですが、高求のあまりのアレっぷりに我慢できず(それまで一応我慢していたのが面白い)、真っ向から啖呵を切って高求に喧嘩を売る女丈夫ぶり。
 原作での、腕自慢の令嬢というキャラクターとは異なった、しかしより一層イキの良い、女傑ぶりが実に気持ちのよいキャラクター造形であり、実にイイのであります。

 …が、「水滸伝」ファン的に一番インパクトがあったのは、林中処刑の危機に颯爽と現れ、法理でもって高求をコテンコテンにやっつける刑部頭であります。
 一体誰なんだこの好漢は!? と思ったらこれが宋江。思わず、ウソだーっと、演じる大林丈史氏には誠に申し訳ないことながら、モニタの前でのけ反ってしまった次第。
 色々な宋江を見たが、こんな恰好良いのは初めてだぜ…


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