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2008.10.04

「カミヨミ」第6-8巻 小品ではあるけれど…

 今月末に最新巻が発売される明治伝奇ホラーアクションミステリ「カミヨミ」。今回取り上げるのは、まだ紹介していなかった第6巻から第8巻までであります。
 この三冊のメインとなるのは「銀狼館の獣」編と「沈黙の毒」編の二つの中編。天馬が、零武隊が、人知を越えた奇怪な事件に立ち向かうこととなります。

 第6巻から第7巻冒頭まで収録されているのが「銀狼館の獣」編。人里離れた洋館・銀狼館を訪れた天馬・帝月・瑠璃男の主人公トリオ+何故か八俣警視総監が巻き込まれた陰惨な猟奇事件が描かれます。

 物語の中心となるのは、満月の度に獣めいたふるまいを見せる銀狼館の娘・文石の悲恋物語。
 題材的には予想がつくのですが――もっとも、ここであの伝説と絡むとは! と大いに驚かされましたが――結末辺りの展開には思わぬ一ひねりが入ったのには唸らされました。さすがにこの作品、侮れません。
 そして何よりも、人を人たらしめる想いが引き金となって…という切なすぎる展開が胸を打ちます。

 ちなみにこのエピソードでは、八俣さんが色々な意味で大活躍。物語の半分くらい全裸だったんじゃないだろうか…


 そして第7巻後半から第8巻冒頭に収録されているのは「沈黙の毒」編。有力政治家の怪死に端を発して、連続毒殺事件に巻き込まれた零武隊隊員・毒丸を中心に、零武隊メンバーが活躍するエピソードであります。

 本作の弱点は、ビジュアル的には異様に目立つ割に、零武隊メンバーが物語的にはさっぱり目立たないことですが、今回でそれがほんの少し解消されたか、というところでしょうか(あくまでもほんの少しですが…)。
 ただ、伝奇的謎解きとしては、毒と鳥という時点ですっかりネタ割れしていたのが残念です。


 以上二つのエピソードは、第5巻までに比べると、分量的にも内容的にも小品ではあるのですが、これはこれで作品世界を広げるという意味ではアリでしょう。
 そして第8巻からは、死者が甦ったという一件を追う天馬一行が、老人がいない秘密めいた隠れ里で事件に巻き込まれる「女郎蜘蛛」編がスタート。なかなか厭な(褒め言葉)土俗的ムードが漂っていて、この先の展開が楽しみです。

 しかし事件解決直後に配下率いて突入してくる日明大佐は既にほとんど伝統芸のような…


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