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2008.11.05

「戦國ストレイズ」第2巻 等身大の戦国時代

 戦国時代の尾張にタイムスリップした現代の女子高生と若き日の戦国武将たちの青春絵巻、このブログにいらっしゃる方の検索ワードで、何故かかなり上位を占めている(本当)「戦国ストレイズ」の続巻であります。

 この第二巻で描かれるのは、主人公・草薙かさねが、若き日の丹羽長秀・前田利家・佐々成政と交流を深めつつ、この世界の在りようを少しずつ理解していく様。
 派手な合戦は描かれないものの、一揆寸前の暴発や、謎の女忍たちの襲撃、信長主催の武芸大会等々、様々な事件に、かさねは巻き込まれることとなります。

 正直なところ、第一巻の時点では方向性が見えにくい――というよりこちらの方でどのように作品と付き合ったものか戸惑う――部分もあったのですが、この第二巻に至って、かなりわかってきたような気がする本作。

 丹羽長秀の得物がファンタジーものに出てきそうな幅広刀だったり、佐々成政は「トライガン」に出てきそうな変態二丁拳銃遣いだったりと、如何にも今日日の戦国もの漫画、時代漫画的なキャラクター化、デコレーションは為されているのですが、これはもう、こういうものだと思えば、気になりません。

 それよりも大事なのは、そんな漫画チックな世界の中であっても、かさねが、彼女なりに戦国時代というものを認識し、その中で自分がいかに生きていくべきかを理解し、少しずつ成長していく様が、きちんと描かれていることであります。

 尾張の賑わいを見て、現代の街と同じくらいと感じたり、その一方で、繁栄の陰に取り残された人々の姿にショックを受けたり――斎藤道三も知らない(体育は大得意だけど日本史は苦手というかさねの設定が愉快)現代の少女なりに、ひたすら純粋に過去にあった世界を見つめ、受け止めるかさねの姿に、大いに好感が持てるのです。

 そう考えてみると、確かに異なるところは山ほどあるけれども、そこで懸命に生きる人々の姿は――特に若者の姿は――現代とさして変わらない共通項。
 かさねだけでなく、長秀も、利家も、成政も…そして信行や、もちろん信長も、懸命に等身大の戦国時代を、青春時代を生き抜く様が、本作の魅力ではないかと思うのです。


 しかし個人的に一つだけ気になるのは、主人公の設定的にあまり長い時間戦国時代で活動させにくいんじゃないかな、という点。
(いや、信長の人生をリアルタイムに経験していったら、もう結構お年を召してしまうわけで…)
 まあ、この辺りはなにがしかの仕掛けがあるのだろうと想像しつつ、それも含めて続きを楽しみたいと思います。


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