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2008.11.19

「主水之助七番勝負 徳川風雲録外伝」 五番勝負「野獣剣 久蔵」

 今回で第五番目の「主水之助七番勝負」、早いものでもう後半戦です。今回の「剣鬼」は「野獣剣 久蔵」――恥ずかしながら、今回は原典がよくわからないのですが(「いのしし修蔵」の曲修蔵?)、しかし物語のクオリティの方は、かなりのものがあったかと思います。

 七年前、とある道場主の闇討ち現場に出くわした主水之助。その際に出会った人足・仁吉の消息を訪ねた主水之助は、その後、仁吉が何者かに斬られて命を落とし、その妻・おみねは酌婦に身を落としたことを知ります。主水之助が夫の仇と吹き込まれたおみねは、主水之助に復讐の刃を向け、また、道場の門弟たちも、主水之助が師の仇と思いこんで彼をつけ狙うことに。
 さらには、野獣の剣を使う剣鬼・真鍋久蔵も主水之助の首を狙って…と、まさに主水之助は四面楚歌。どちらかというとこれまでは傍観者ポジだった主水之助ですが、今回は彼自身の事件という印象で、久蔵のポジションが明確に悪役ということもあり、今回の「剣鬼」はむしろ主水之助という印象すらあります。

 ストーリー的には、毎度のことながら、悪いのは役人というオチではあるのですが、登場人物たちのキャラがなかなか立っていたので、不満はありません。悪役の久蔵も、やっていること自体は典型的なキャラではあるのですが、その振る舞いの一つ一つ(人を強請りながら代官所の障子をネチネチと破いたり)が実に癇に障る厭らしさでありましたし、道場の門弟たちも、いざ仇(と信じ込んでいる)の主水之助と対峙しながら、人を斬った経験もなく慌てふためいてしまう様がなかなかリアル。
 今回は通りすがり的立場だった善鬼も、かつての許嫁にだけは、ほんの少し、本当に少しだけ違った顔を見せた――と思ったら、久蔵の始末を依頼してきた役人を理不尽にも叩き斬ったりと、実に「らしい」活躍であります(にしても三田村氏、こういう役もアリなんだなあ…と毎回感心いたします)。

 しかし今回の圧巻はやはり筒井真理子演じるおみねの存在感でしょう。登場した瞬間から「人生に疲れた酌婦」というキャラクターを強烈に感じさせる佇まいに感心しましたが、その後も、主水之助と久蔵の存在に翻弄され、ついには主水之助に包丁を向ける姿に――そしてその後、久蔵に騙されていたと知った時の怒りと絶望の表情に――圧倒されました。
(…圧倒されたと言えば、微動だにせず土手っ腹におみねの包丁を受ける主水之助の姿も凄まじかった。さすがはマツケン)


 残すところあと二回の本作、最終回は当然「大峰ノ善鬼」として、その一話前は…と思いきや、これが意外な変化球。こういうパターンで原典を使ってくるかと予告を見て驚かされましたが、それはまた来週触れましょう。


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