今年の舟橋聖一文学賞は…
舟橋聖一文学賞に荒山徹氏の「柳生大戦争」
事前に情報を掴んでいながら公式発表が出るまでと思っていたら微妙に出遅れてしまいました。
えー、正直なところ、作者と作品をご存じの方にとっては目を疑うような内容でありますが、本当です。時代劇ファン的には「花の生涯」の作者として知られる舟橋聖一先生の名を冠して彦根市が開催している舟橋聖一文学賞、その第二回の受賞作は荒山先生の「柳生大戦争」であります。
(ちなみに舟橋聖一文学賞の概要についてはこちらとこちらをご覧下さい)
ちなみに毎日の記事だと「堺市の作家、荒山徹さん(47)」と書いてあるのが妙におかしく感じてしまいました。
それにしても、ファン的にはよりにもよって若竹に…という気分にはなってしまうのですが、しかしこの「柳生大戦争」、ここ最近の荒山作品の中では、破天荒なエンターテイメントの中に、ある意味初期作品を思わせる「国家と人」の視点と問題意識を色濃く持った――特に最終章において――作品であり、その点において読み応えある作品であったことは間違いありません。
――それ以外の部分でかなり狂っているので、そして狂っている部分が目立ちすぎるのでアレなのですが(でもだからといって「柳生百合剣」が受賞するのよりかは文学賞的に納得できるような気がします)。
と、些か狼狽え気味になっていて大事なことを忘れておりました。
――荒山先生、受賞おめでとうございます。ファンとして、これからの一層のご活躍を祈念させていただきます。
しかし「花の生涯」の主人公が彦根藩主・井伊直弼だったがために設立された(といって良いでしょう)この文学賞を受賞したのが、荒山先生の時代伝奇小説というのは、「伝奇城」に掲載された「其ノ一日」を思い出してちょっと愉快な気持ちになりました。
「云う、これ時代伝奇小説なり、と」
「柳生大戦争」(荒山徹 講談社) Amazon

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