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2008.12.25

「九十九眠るしずめ 明治十七年編」第3巻 驚くほどの安定感

 明治もののけ伝奇アクション「九十九眠るしずめ」の「明治十七年編」第三巻、シリーズ通算で第七巻が、久方ぶりの登場です。
 「敵」の正体と己の力の源を知ったしずめの前に現れた新たなる刺客は、あの土方歳三。さらに第三勢力として、意外な(?)面々までもが…

 実は毎回単行本を読むたびに感心してきたのですが、本作の最大の魅力は、その驚くほど安定したクオリティなのではないかと思っています。
 もちろんアイディアやキャラクターの面白さ、漫画としての画作りの巧みさは言うまでもないのですが、それをまとめて一つの作品として見せる術がずば抜けているように思えるのです。

 この巻では、しずめと目的を同じくしながらも激しく反目する安倍家の少女戦士・清女の過去と、しずめとの和解が描かれます。
 その内容自体は、正直に言って、さして目新しいわけではないのですが、しかしそれでもそれが異形のものどものビジュアル、派手でありながらわかりやすいアクションと結びついたとき、水準以上のものとして見えるのは、さすがとしかいいようがありません。

 その一方で少々気になるのは、前巻からこの巻にかけて登場してきた新しい登場人物たち。
 ある意味、幕末~明治の伝奇ものには定番の顔ぶれではあるのですが、これがあまりにメジャー過ぎるために、物語のバランスを崩すのではないかといささか気にかかります。
 ある意味、どのようなフィクションよりもドラマチックな幕末~明治時代。そこに登場する人物、展開されるドラマに、フィクションが食われてしまうというのは、決して珍しいことではありません。

 史実という厚みがある分、キャラ立ちという点では遙かにアドバンテージのある相手に、しずめやトラゲンら、オリジナルキャラたちが食われることなく、自分を主張していけるか――もちろん、前述の、作者一流の技がある限りは、心配はないとは思いますが…
(思えば、トラゲンのあの凄まじいビジュアルの変化は、この辺りのこともあってなのかしらん)


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