「戦国絵札遊戯 不如帰 HOTOTOGISU 乱」 何とも勿体ないアイディアの一本
先日発売されたPSP用ソフト「戦国絵札遊戯 不如帰 HOTOTOGISU 乱」をしばらくプレイしておりました。
タイトルを見れば大体想像のつくように、本作は戦国時代を舞台としたトレーディングカードゲーム。実際のトレカに手を出すのは怖いが、ゲームソフトであればやってみたい、しかもカードイラストの担当の中には、あの正子公也先生が、ということで早速飛びついたのですが…
さて、この「不如帰」というネーミングを聞いて、おっと思った方もいるはず。
「不如帰」といえば、丁度二十年前に発売されたファミリーコンピュータ用の戦国シミュレーションゲーム。当時のゲームとしては(いや、今の目で見てもかなり)斬新な要素を数々取り入れた作品でありました。
本作は、この「不如帰」と同じアイレム発売、題材も同じ戦国ものという共通点があり、ゲームジャンル・内容的には全く異なるものの、レトロゲーマー的にはちょっとニヤリ、とできました。
ゲームとしては、手札の中の武将カードを場に出して、相手の武将カードと戦わせるという、ある意味カードゲームとしては定番の内容ではありますが、面白いのはそこに他のジャンルのゲーム的な味わいが取り入れられているところ。
ゲームの場は5×5マスに区切られ、その中に武将が配置されるのですが、武将は配下の兵種によってマス上の移動パターン(騎兵は特に縦方向の動きに優れ、槍兵は一マスずつだが全方向に移動可能というように)が決まっていて、この辺りは何だか将棋的。
さらに、武将は味方同士隣接させたり、相手を囲めば有利な追加効果が得られますし、兵種によって有利な相手、不利な相手という相性の要素もあります。また初期状態では遠くのマスの状況はわからず、近寄れば視界が開いてその状況がわかるなど、シミュレーションゲーム的味わいもあります。
このように単に正面からカードをぶつけ合うだけではなく、どのように武将を配置するか、進軍するかという戦略性があるところは、なかなか面白いな、と感心した次第です。
しかしながら…このシステムが、思わぬ足かせとなってしまっているのも、残念ながら事実であります。
5×5マスというフィールドは、プレイしてみるとすぐわかるのですが、あまり広くない…というより明らかに狭い。元々狭い上に、各マスには様々な地形が設定されていて、地形と兵種によっては、入れないマスもあるため、さらに狭く感じられてしまうのです。
さらに、動かせる武将は1ターンに一人だけ、そして既に他の武将がいるマスには入れない/飛び越えられないため、思わぬ交通渋滞が発生することになってしまうのです。
もちろん、こうしたシステムをきちんと把握した上で、適切な配置・適切な進軍をするのが正しいプレイの仕方ではあるのですが、実はCOM側があまり賢くないこともあり(川と自軍に前後を挟まれて動けなくなった敵の大将を、離れたところから鉄砲でチクチク削って勝った時の気分たるや…いや、現実にもありそうなシチュエーションではありますが)、なかなか思うようにはいきません。
もう一回りか二回りフィールドが広く、また1ターンの行動人数も増えていれば、(煩雑になる危険性はもちろんありますが)もう少し違ったプレイ感覚になったのではないかな…と残念に感じた次第です。
その他、チュートリアルが単なるヘルプファイル状態で見にくかったり、カード入手がパックではなく予めオープンになっている単体カード購入のため、今ひとつモチベーションが上がらなかったり、COM相手の一人プレイ(ストーリーモード)が、ずっとプレイしていると作業感が強かったり(PSPって大人ゲーマーには対戦プレイが意外と敷居が高いのでこれはかなり苦しい)と、ちょっと残念な要素が多く目についてしまうのが、何とも勿体なく感じます。
複数の人気イラストレーターによるカードによるトレーディングカードゲームという流行に乗りつつ、戦国ものという題材を踏まえた独自のシステムを構築したのは大いに評価できるのですが、もう少し、あと少しだけゲームとしてのシェイプアップがなされていれば…全くもって惜しい、としか言いようがありません。
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