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2008.12.22

「夕ばえ作戦」(漫画版)開始 まさかの再会…!

 書店で本を買っていて、何の気なしにレジ脇の漫画雑誌売場を見て、一瞬我が目を疑いました。
 「COMICリュウ」誌の最新号より漫画版の「夕ばえ作戦」連載開始。しかも幻の「夕ばえ作戦」第二部が別冊付録というのですから…

 「夕ばえ作戦」の原作については、いずれきちんんと紹介しようと思っているので、ここではあまり詳細には触れませんが、原作は光瀬龍先生が約45年前(!)に「中一時代」誌に連載したジュヴナイル。
 偶然タイムマシンを手にした中学生が江戸時代にタイムスリップ、風魔一族の残党に苦しめられる人々を救うために大活躍するというお話であります。

 私がこの作品を読んだのは、もう二十年以上昔、リアルタイム世代である十歳上の兄に薦められてでしたが、江戸時代という「異世界」を舞台にしつつも、ジュヴナイル特有のリアリティ(自分の隣でこんな事件が起きているかもしれない、という感覚)に満ちていて、以来、心の作品の一つであります。

 今回の漫画版は、あの押井守が脚色ということで、色々と不安は高まるのですが、本作のヒロインであり風魔の姫である風祭陽子をいきなり冒頭に見せておいて(ちなみに彼女は掲載誌の表紙も飾っております。いい時代になったなあ…)、そこから現代に舞台を移すという構成はいい感じであります。
 もとより原作の舞台は当時の「現代」であって、既に四半世紀近い「過去」なわけで、さすがに原作の無邪気な部分であった(まあ、別の作品でその辺りは説明されているんですが)タイムマシンによるタイムスリップではなく、稗田礼二郎先生を呼んできたくなるようなスポットからの転移に改変されているなど、第一回の時点から、原作からの変更点は少なくありません。
 それでも主人公は茂でちゃんと妹もいるし、親友は明夫、高尾先生はいるし…と、アホなファンはそれだけで嬉しくなってしまうのでした。何よりも、風祭陽子に再会できたのが…!
(その一方で、如何にも意味ありげな明夫の祖母が登場するのがまた面白いのですが)


 さて、別冊付録の方には、これまで単行本未収録だった第二部(幻はやっぱり幻になるべきものだなあ、と思いましたが…)が収録されたほかに、実にわかりやすい原作と当時のジュヴナイルの紹介記事のほか、押井守が光瀬先生との思い出を語る記事もあり、実に興味深いところ。

 しかし、押井守と「夕ばえ作戦」という組み合わせが、どうもピンとこなかったのですが、並々ならぬ思い入れがあるようで、ちょっと安心しました。
 もっともその思い入れが、風祭陽子だけに向けられているようにも見えるのがやっぱり不安ですが…

 原作の魅力である、現代と江戸、学生と忍者という二重に異なる世界の気楽なオーバーラップが、あまりリアル方向に傾かないで欲しいなとは思うのですが、陽子はそのオーバーラップの象徴とも言えるキャラクターであり、その辺りはこれからの様子見と言ったところでしょう。


「夕ばえ作戦」(大野ツトム&光瀬龍&押井守 「月刊COMICリュウ」2009年2月号) Amazon
月刊 COMIC (コミック) リュウ 2009年 02月号 [雑誌]

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