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2009.01.24

「浪花の華 緒方洪庵事件帳」 第3回「闇の守護神」

 「浪花の華 緒方洪庵事件帳」第3回のタイトルは、「闇の守護神」。いきなり伝奇っぽさバリバリですが、まさに大坂の闇の守護神たるヒロイン・左近の裏の――真の顔の何たるかが、今回初めて描かれます。

 原作はシリーズ一巻目「禁書売り」の第二話「証文破り」。
 破落戸との付き合いがあるという同じ塾生・富沢の不審な行動を探るうちに、富沢が何者かに襲われ、それを左近が救った場に居合わせることとなった章。それがために、章は大坂を舞台とした商人と侍の暗闘に巻き込まれることとなります。

 今回の一件の背景にあるのは、薩摩の調所広郷による更始――つまりは借金の証文破り。
 調所広郷と言えば、薩摩の破綻した財政を立て直した傑物として知られますが、しかしそのための手段の一つである更始は、平たく言えば借金の踏み倒しです。その背後には、泣きを見た商人たちが幾人もいたはずであり…今回描かれるのは、歴史の背後で忘れられがちなその“事実”であります。

 その事実を拾い上げ、救いの手をさしのべたのが、左近と、彼女が属する「在天別流」。公式サイトの記載や、原作の描写からすっかり忘れていましたが、このドラマで「在天別流」の存在とその活動が明言されたのは今回が初めてです。
 難波宮から数えて千年の歴史を持つ大坂…その歴史の陰に潜み、大坂に住まう人々の自由を守り続けてきた一団、それが在天別流であり――まさにその意味で、「闇の守護神」であります。

 というわけで、物語後半では、どう考えても逆恨みの薩摩の芋侍を向こうに回して、「神」認定された千明様が痛快に立ち回るという展開。
 チャンバラは相変わらずまだまだ…という印象ですが――が、今回になってあの独特の左近の構えが、舞楽の所作を取り入れたものと気付きました。自分の目の節穴っぷりがお恥ずかしい――、屈強な男たちと一歩も引かず渡り合い、ダーティーな手段もためらわずに使って相手を叩き潰す左近の特異なキャラクターを演じることができるのは、もはや千明様以外はいないと感じられるはまりっぷりでした。

 そして、そんな左近の“正体”が描かれる一方で、今回もう一つ描かれた、物語で大きな意味を持つもの…それは、章の“決意”です。
 自分が何のために学問をするのか――これまでは漠然としていた彼の理由。ある意味、学問のために学問していた彼が、今回初めて、明確な意志を以て学ぶことを決意することになります。
 これまでは、ほとんど全てのシーンで、途方に暮れたような、情けない表情を見せていた章。その彼が、今回のラストに見せた表情は、頼もしく、気概に満ちた実に良いものであったと思います。


 と、ある意味、真の第一話とも言うべき今回のエピソード。その正体を見せた左近と、その決意を固めた章がどのような道を歩むことになるのか…まだまだ大きい二人の距離が、これからどのように変わっていくのか、章の決意の表情を思えば、期待できそうです。

 …が、大見得を切る千明様左近のお姿にポーッとしている表情を見ると大いに不安にもなるのですが、これはまあ、神様に拝謁しちゃったんだから仕方ないな!

 あと、表情と言えば、ニセ手紙に誘き出されて店に飛び込んできた章を睨みつける千明様の冷酷極まりない表情が、ある意味今回のハイライト。


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