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2009.01.12

「あんみつ姫2」 スマイルを体現した井上あんみつ姫

 この年末年始には、それなりの本数のTV時代劇が放送されましたが、私にとっての大本命は井上真央主演の「あんみつ姫2」でした。
 …と書くと、真面目な時代劇ファンの方には怒られそうですが、しかし昨年の第一弾があまりに面白かったのだから仕方ない。そしてその「あんみつ姫2」は、期待通りに、実に年の始めにふさわしい快作でありました。

 相も変わらず城を抜け出しての悪人成敗を続けるあんみつ姫。そんなある日、小姓・甘栗の助の死別したはずの母が、実は生きていたと知った彼女は、甘栗の助と共に吉良吉良国に向かいます。
 しかし着いてみればそこは、好き放題に暴れる悪人・我滅猪生のためにすっかり笑顔を失った地。姫は、国を治める阿久田偉観が主催する武闘会で優勝して、阿久田の力で甘栗の助の母を捜そうとするのですが…

 というのが今回のお話。前作の「ラブ」に対し、今回は「スマイル」がテーマとなっています。
 圧倒的な暴力の前におびえて暮らす人々。母の面影を探して涙に暮れる甘栗の助。そして復讐に凝り固まった謎の剣士・野牛九兵衛――ネガティブな想いに沈む人々に、明るい「スマイル」を取り戻させようと、姫は奮闘することになります。

 これが一歩間違えると、どうしようもなく安っぽい味わいになったり、説教臭くなってしまうところですが、そこはナンセンスコメディの強み。
 まことにしょーもなく馬鹿馬鹿しいギャグやパロディの連発に、あんまり真面目に構えても仕方がないかと、こちらのガードが下がったところに、狙い澄ましたように叩き込まれる泣かせどころ。
 まんまとスタッフやキャスト――特に甘栗の助役の今井悠貴は、前作に引き続き、ドラマの泣かせの部分をほとんど一手に引き受けたような印象。末恐ろしいお子です――に乗せられたと思いつつも、まさにこの点にこそ期待していたので、大いに満足いたしました。

 そして何よりも――「スマイル」を文字通り体現したような井上真央の明るい笑みが、思わずこちらも微笑み返したくなるほどの素晴らしさで、つくづくはまり役であると、感じ入った次第です。


 あえて言えば、町の人々にも自分の力で立ち上がって欲しかったとか、悪役連中にも改心の機会を与えて欲しかったとかはあるのですが、それは贅沢の言い過ぎというものでしょう。
 柳葉敏郎と早乙女太一がいなかったほかは、前作のキャスト/キャラクターもほぼ全員登場、今回も実に楽しそうに物語を盛り上げてくれましたし、エンディングの「ダイヤモンド」も、キャスト総出で歌って踊るカーテンコール状態。最初から最後まで、前回以上にパワーアップした幸福感溢れる作品でした。


 現実世界は「スマイル」が最も乏しい時代になってしまった感がありますが、そういう時だからこそ、本作の明るさ暖かさが、実に嬉しい。
 これからも、正月のたびに井上あんみつ姫のスマイルが見たいものです。


 …にしても竹内力のバカキャラ演技、橋本じゅんかと思ったよ


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