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2009.01.23

「深川七不思議の怪 源内妖変図譜」 今度は必殺だ?

 深川で次々と起きる怪事が噂となる中、源内は、古巣の高松藩から、封印を解かれた刑部狸退治の依頼を受ける。その頃、玄白の患者・与吉の許嫁が行方不明となり、与吉も何者かに殺されてしまう。全ての事件の源に、材木問屋・讃岐屋長兵衛があると知った源内たちは、讃岐屋に乗り込む。

 第一弾の紹介からだいぶ間が空いてしまいましたが、平賀源内と仲間たちが妖怪事件に挑むCDドラマ「源内妖変図譜」の第二弾です。
 今回も平賀源内・杉田玄白・中川淳庵・山田浅右衛門・お妖の面々が、妖怪にまつわる怪事件に挑むというのが基本ライン。源内に持ち込まれた刑部狸退治の依頼(源内の出身である高松藩と八百八狸を絡める展開はうまいと思いましたが、細かいことを言えば刑部狸は伊予松山藩だった気がするのですが)、玄白と淳庵が巻き込まれた若いカップル殺し、そして浅右衛門が首を斬った罪人の不可解な死に様、そして深川周辺で続発する数々の怪事件と、平行して語られる幾つもの事件が、やがて一つに繋がり…という展開は、やはりうまいものだと感心いたします。
(ただ、奉公人が住み込みでない商家ってどうなのかしら…という気はすごくするのですが)

 実は今回は、「今度は必殺だ!」というキャッチコピーが付されており、いまさら必殺パロディなどしなくても…と、正直なところいやな予感がしましたが、きちんとした物語の本筋に絡めた趣向となっていたため、お遊びという印象にはならなかったのも好感触でした。
(最近の必殺ではないがしろにされがちだった依頼人の金を受け取る理屈(?)を、単なる様式ではなく、きちんと源内が説明してくれるのがgood)

 キャストの方も相変わらず芸達者ばかり、特に源内役の関智一氏は伝法な喋りが板に付いていて、志道軒との口喧嘩のシーンなど、ポンポンとした言葉の応酬を大いに楽しませていただきました。
 また、今回の悪役を演じた飯塚昭三氏はさすがにベテラン、一歩間違えれば陳腐になりかねないところを、うまく演じていたのではないでしょうか。

 とはいえ、残念な部分も皆無というわけではなく、特に本シリーズの一つの特長であろう、妖怪に対する博物学的アプローチがなかったのは些かいただけないところ。
 また、シリーズを通しての敵役であろう、松平正信と和泉大夫の陰謀の全容が明らかになっていないのも残念至極であります。


 おそらくは、シリーズはこの先も続く予定であったのだと思いますが、本作が発表されて以来二年以上も音沙汰はなく、ここでこのまま終わってしまうのは実に勿体ないシリーズだと感じます。
 発売元のウォーターオリオンから本作を通販で買ったところ、丁寧なメッセージをいただけたこともあって、大いに応援したいシリーズではあるのですが…さて。


「深川七不思議の怪 源内妖変図譜」(ウォーターオリオン CDソフト)


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