「無限の住人」 第五幕「執人」
思い出したように続けるアニメ「無限の住人」視聴。今回は第五話「執人」。逸刀流中の好漢(?)凶戴斗との出会いと対決の回であります。
今回のベースとなっているのは、単行本一巻の「執人」と単行本五巻の「凶影」中のエピソード。
元々、第一話から無骸流の面子が顔を見せるなど、物語の流れを再構成したことが窺われるこのアニメ版ですが、今回はかなり大胆に物語の流れをアレンジしており、本来であればかなり間が空いている、凶の持つ浅野道場の宝刀・クトネシリカを巡っての万次と凶の初対決と、逸刀流が幕府と接近したことから凶が逸刀流を離れる様が、一つのエピソードとして描かれることとなります。
おかげで、凶は本格的に登場して――それまでも回想シーンでちょこちょこと登場していましたが――すぐに逸刀流離脱、という慌ただしさになってしまいましたが、それでもそれなりに話が成立しているのがちょっと面白いところです。
その離れ業(というのは大げさですが)を可能としたのは、凶のキャラクターの基調である「侍嫌い」の要素、二つのエピソードをまとめたこと。
冒頭のオリジナル演出で、凶の悪夢という形で、参勤の行列の侍に妹が殺される様を描くことにより、彼のトラウマであり、行動の原動力を印象づけたことで、万次との対決と逸刀流離脱をさほど無理なくまとめたのは、ちょっと感心しました(「俺は侍が憎い!」とはっきり言わせてしまうのは、ちょっとどうかとは思いますが)。
凶の想いを象徴するアイテムとして――そして、ラストの逆転のきっかけとして――鞠が描かれているのも、なかなかうまかったと思います。
尤も、凶というキャラクターを描く上において、本当に一話にまとめてしまったのは良かったのか、というそもそもの疑問は残るのですが、絵のクオリティ的にも悪くなく、まずは水準のエピソードであったかと思います。
ただ…「こんな手で刈られるほどただの剣豪の首も軽くなかったと思うぜ」とか「辛い思い出ばかりでもな……憶えていればそのおかげで信じらんねェ力を出せる時もある」とか、私の好きなちょっとイイ科白がほとんどオミットされていたのは、個人的にはちょっとショックではありましたよ。
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