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2009.03.28

「シグルイ」第12巻 悔しいけれど面白い…

 まだまだ続く地獄絵図、「シグルイ」第12巻は、物語の焦点を再び藤木と伊良子に移し、心身ともにどん底に落ちた藤木たちの姿が描かれます。

 伊良子に一門完全敗北しながらも、再戦の主命により、生き恥を晒す羽目となった藤木と三重。
 そんな中、駿府に招かれた藤木は、更なる辱めを受けた上、腕試しと称してある男との試合を命じられますが、それこそは現在「伊良子清玄」と呼ばれる者の兄弟子で…

 というわけで、今回も藤木/伊良子の過去と、その怪物ぶりが描かれるのですが――同じことを考えている方も多いと思いますので書いてしまいますが、さすがに引っ張りすぎ、という印象は否めません。

 対決する二人のエピソードを積み上げることにより、最後の決闘をより盛り上げるというのは、これはそれこそ講談の寛永御前試合の昔から採られている手法であり、エンターテイメントの常道ではありますが…
 前の巻で、一旦物語が「がま剣法」に移ったこともあり、そろそろ次に行ってもよいのでは…という気持ちは、正直なところあります。


 が――それでも困ったことにと言うべきか、嬉しいことにと言うべきか、内容自体は実に面白いのです。

 藤木の怪物ぶりについては、これまで断片的だったものが一気に前に出てきたような印象がありますし、何よりもこの巻の終盤では、峰打ち不殺の月岡雪之介との、夢の(?)対決が実現。
 剣術描写については今更言うまでもないクオリティであり、悔しいけれど面白い、と言うほかありません。

 また、いくと三重の、清玄を挟んだ女の対決――と書くと何だか安っぽく見えて嫌なのですが――も、そういえば今までさほど描かれていなかった部分であり、思わぬ方の乱入(?)もあって、こちらも面白いのです。
(清玄のさりげない一言で凶気を芽生えさせるいくの描写がまたうまい)

 結局、悔しい悔しいと言いながら、最後までついていくことだけが、ファンに許される行動なのでしょう。ああ悔しい。


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